関連記事
メタボ対策費用は、将来の医療費削減額を下回るのか
高齢化の進展に伴い、疾病全体に占めるがん、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病等の生活習慣病の割合が増加。厚生労働省によると、生活習慣病が死亡原因の約6割を占め、医療費に占める生活習慣病の割合も国民医療費の約3分の1にも上るという。さらに、心疾患、脳血管疾患等の発症の重要な危険因子である糖尿病、高血圧症、脂質異常症等の有病者やその予備群が増加しており、その発症前の段階であるメタボリックシンドロームに関しても、予備群と考えられる者を合わせた割合は、男女とも40歳以上で高く、40~74歳においては男性では2人に1人、女性では5人に1人の割合に達している。
これら生活習慣病およびメタボリックシンドロームは若い時からの予防により防げ、中長期的には医療費の増加を抑えることにも繋がるとして、国・都道府県・医療保険者が対策を進め、企業も数々の「トクホ」商品を発売するなど、ニーズに合った商品やサービスを充実させていることは周知のことであろう。
近時であれば、花王<4452>が、高濃度のコーヒークロロゲン酸を含み、脂肪を消費しやすくする効果が認められた特定保健用食品として、「ヘルシア」シリーズから「ヘルシアコーヒー」を発売。ポーラ<4927>は、ダイエットをサポートする「パントテン酸」や「L-カルニチン」、アミノ酸「BCAA」を配合した「ダイエットサポートパウダーバーニングプラス」を発売、富士フイルム<4901>もダイエットサプリメント「メタバリアプレミアム」と「メタファイア」の2種類を発売するなど、ダイエット、メタボ対策商品の展開は枚挙にいとまがない。
先日、メタボリックシンドロームと判定された人の医療費がその他の人に比べ、平均で年約9万円高くなっていると報じられた。医療費は基本的に行政と本人の双方が負担する。その為、この医療費を削減することは、個人にとっても行政にとっても望ましいことである。しかし、トクホ商品を筆頭に、ダイエット・メタボ対策のサプリメントなどを継続的に摂取することに対する費用はどうか。このメタボ対策費用と現在及び将来の医療費の比較をした情報はあまり見られない。通常・従来の生活費をそのままに対策商品を利用できれば良いが、こうした対策商品はそうでない商品と比べて若干高価な事が多い。長期間に渡り継続的に使用する必要もある。となると、将来の医療費分を先払いしているようなものであり、かつ、比較的生活に余裕のある人ばかりが健康を維持できるということになるのではないだろうか。(編集担当:井畑学)
■関連記事
・カゴメ、リコピンサプリメントで美容市場に参入
・「食」生活をフォローする企業の福利厚生とは
・トマト飲料特需、メーカー各社が相次いで商品リニューアル
・健康ブームで注目を集めるトクホ飲料
・カネカが乳酸菌R037株に血中中性脂肪の低減効果があることを確認
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク