日本製紙、熊本県で国内初の未利用材100%によるバイオマス発電事業

2013年4月8日 17:15

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 日本製紙は8日、全国で初めてとなる「未利用材100%によるバイオマス発電事業」を実施することを決定したと発表した。八代工場(熊本県八代市)に木質バイオマス発電設備を新設し、2015年の春から新しいエネルギー事業を開始する。発電出力は5,000kWで、発電した電力は九州電力に売電する。

 今回八代工場に新設する木質バイオマス発電設備では、燃料に九州地区の間伐材等の未利用材を100%使用する。日本製紙グループの株式会社南栄(熊本県八代市)および日本製紙木材株式会社(東京都千代田区)の集荷網を活用し、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を利用したバイオマス発電を優位に行うことができる。

 また、今回の発電事業は、日本国内の森林・林業を早急に再生していくための指針となる「森林・林業再生プラン」で示された、木材自給率50%達成のための国産材利用拡大に大きく貢献する。

 日本製紙は、今後も持続的に成長していくために、製紙事業以外の事業育成を進めることにより、総合バイオマス企業として事業構造の転換に取り組んでいる。今回の「未利用材100%によるバイオマス発電事業」では、日本製紙が長年培ってきた発電設備の運営技術や社有林経営を始めとする山林事業のノウハウ、安定した品質のチップを生産する技術などの強みを発揮していく。

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