原爆の製造も行われた米ハンフォード核施設で汚染水漏れが確認される

2013年2月27日 07:00

印刷

記事提供元:スラド

eggy 曰く、 ワシントン州東南部にあるハンフォード核施設にて、地下に貯蔵されている放射性廃棄物貯蔵タンク6基から汚染水漏れが確認されたことを、ワシントン州インズリー知事が先週金曜日に発表した。各タンクから1年間当たり数ガロンから数百ガロンが漏れ出ているだろうとのこと(本家/.The Seattle Times記事)。

 汚染水が実際どこに流出してしまったのかはまだ正確には分からないようだが、直ちに健康被害をもたらすものではないとしている。貯蔵タンクと地下水は46メートルから61メートルの乾燥土壌で隔てられており、コロンビア川に通ずる地下水に汚染水が到達するまでには何年もかかるだろうとのこと。コロンビア川までの距離はおよそ8キロメートル。

 1945年に長崎に投下されたプルトニウム型爆弾はハンフォード・サイトで製造された。またハンフォード・サイトは冷戦時代の核兵器製造が行われた場所で、同サイトの地下にある放射性物質貯蔵タンクは現在、米国内の最も深刻な核廃棄物問題となっている。タンクは全部で177基あるが、うち149基がもともと鉄製の一重構造で造られており、過去に67基から汚染水が漏れ、少なくとも3780キロリットルから5670キロリットルが漏れ出たことが分かっている。現在では149基の大半が二重構造のタンクに移し替えられ、エネルギー省は汚染水が漏れ出る可能性はすべて封じたと主張していたが、今回の発表により2005年以来の汚染水漏れを認めたことになる

 スラッシュドットのコメントを読む | 原子力 | アメリカ合衆国

 関連ストーリー:
米国内の原子炉20基で解体引当金が不足、廃炉の際は長期間放置の可能性 2012年03月26日
福島第一原発の汚染水処理システムから45トンの汚染水漏れ 2011年12月06日
放射性物質除去の新技術、1グラムのナノファイバーで1トンの汚染水を処理 2011年11月05日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事