仕送り減でも生活は「ラク」、大学生の価値観とは?

2013年2月19日 08:34

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記事提供元:エコノミックニュース

 仕送りが減っても暮らし向きは楽だと考える大学生が増えている。全国大学生協連の学生生活実態調査によると、生活が「大変楽な方」「楽な方」と感じる学生は前年の調査より7ポイント多い51%で、1980年の調査開始以来、初めて5割を突破した。生活が「大変楽な方」は5.5ポイント増加している。暮らし向きが「ふつう」は38.7%、「苦しい方」と「大変苦しい方」は10.2%。

 とはいえ大学生の懐事情が急に良くなったわけではない。下宿生への仕送り額は6年連続で減少し、仕送り額が「10万円以上」の学生は95年の62.4%から30.3%と半減。「0~5万円未満」は95年の7.3%から26.8%と4倍近くに増え、仕送りが「0円」の割合も10%を超えている。食費は1ヶ月22,970円と、1976年並みの水準だ。

 この20年で、父親世代である50代男性の平均賃金は100万円近く減少する一方、進学率は50%を超え1.6倍に。家計が苦しくても進学を諦めず、少ない金額でやりくりする学生が増えている。にもかかわらず暮らし向きが楽だと考える学生が増えた背景には、アルバイト代が増えたことや、学生全体の意識の変化などがあげられる。

 上述の調査では「アルバイト代」は前年比1,560円増の23,100円だった。アルバイトの就労率も1年生では47.9%(2.8ポイント増)、2年生68%(3.5ポイント増)。生活のために働くのは当たり前のこととなった。

 また最近ではユニクロなどのファストファッションや、格安居酒屋などを含めたファストフード、ネット環境なども充実し、以前と比べてお金をかけずに生活を楽しめるようになったことも大きい。

 少ない仕送りでやりくりする学生が増えれば増えるほど、周りと比べて「自分の生活はそこまで苦しいわけではない」と感じる学生は多くなる。経済的な格差は人との比較によって意識されることが多いため、同じような生活水準の学生が増えれば「格差」が意識される機会は減るだろう。大学生が一部の「特権層」だった時代は過ぎ去り、彼らの意識も変わりつつあるのかもしれない。

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