営業改革活動について~時代に合わせた営業スタイル~

2013年2月15日 13:48

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■営業とは
 最近のコンサル業務で営業改革にかかわるテーマが多い。現在の経済環境の中で売上高が低迷し、収益に大きな影響を与えているクライアント先が増加しており、これを対策すべく営業の改革活動が必要になってきている。

 営業とは言葉通り、業(事業)を営む事であり、単なる物売りの販売ではない。ターゲット顧客を決め、顧客の課題、ニーズを抽出し、課題解決をする為の製品、サービスを提供し、その対価として売上があがる。まさに業を営む事であり、企業の重要な機能である。我々はこの観点で営業と販売の言葉を使い分けている。

 営業のスタイルはソリューション営業、コンサルティング営業、提案営業、御用聞き営業、待ち営業というようなさまざまなタイプがあるが、時代の背景によって営業のスタイルが変化してきている。

■現代の営業スタイル
 高度成長時代のものが足りなく、物質的な豊かさを追求していた時は、消費者の購買意欲が旺盛で、モノがほっておいても売れた。

 ところがバブル崩壊後、右肩下がりの飽和時代に入って、消費者の購買意欲が減退化、潜在化し、従来の営業スタイルでは物が売れなくなった。

 高度成長時代は御用聞き営業、待ち営業スタイルが主流であったが、現状のデフレ環境ではソリューション営業、コンサルティング営業、提案営業のような顧客の課題を明確し、積極的に製品、サービスを提案する営業スタイルが必要になってきている。まさに営業の言葉通り、業(事業)を営む事を時代が要請している。

 この営業スタイルのプロセスを少し解説する。

■営業スタイルのプロセス 
①顧客の選定
 積極的に営業活動を実施する見込み顧客をきめる
②顧客の関係構築
 提案する為の情報収集をする為に顧客との親密な関係構築をする
③顧客のニーズ開発
 仮説の打診提案をする事により、顧客の課題、ニーズを抽出する
④顧客への提案
 開発したニーズに基づいて魅力ある製品・サービスの提案をする
⑤見積、受注
 提案内容について顧客要求条件と自社条件の整合を図る
⑥フォローアップ、アフターサービス
 製品、サービスを提供し、その後のフォローアップをする

 以上がソリューション営業、コンサルティング営業、提案営業といわれる営業スタイルの原理で、このプロセスを通して、①会社を売り込む ②事業を売り込む ③製品・サービスを売り込む ④技術を売り込む ⑤営業マン自身を売り込むの「5つの売り込み活動」を実施する事になる。

 原理プロセスなので実施する事は当たり前に感じるが、ポイントは「顧客の情報収集による的確なニーズ開発」と「これに適応した魅力提案」で、クライアント先の現場ではこの観点で徹底的に営業改革活動を実践指導している。

著者プロフィール

中山 幹男

中山 幹男(なかやま・みきお) 株式会社A&Mコンサルト 代表取締役

大阪大学工学部機械学科卒業後、大手自動車メーカにおいて商品企画、設計・開発、品質管理、環境対策業務等に従事。その後大手コンサルティングファームの経営コンサルタントとして7年間勤務。
韓国の大手家電メーカを手始めに製造業を中心としたコンサルティングを実施する。1997年に「現場主義を貫き、行動的に活動して成果を出す経営コンサルティング」を目指し、A&Mコンサルトを設立し現在に至る。激変の環境変化の中で、企業の永続的な存続を前提に戦略構築、仕組改革、組織風土改革のトライアングル視点で企業の体質強化を図る。
会社URL  http://www.a-and-m.biz

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