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昭和電工、津波被災した福島県の液化アンモニア物流基地を運営再開へ
昭和電工は14日、東日本大震災の津波により被災した液化アンモニアの物流基地(福島県相馬郡)を再興し、運営を再開することを決定したと発表した。再建のための工事を今年6月から開始し、2014年3月に運営を開始する予定。
液化アンモニアは、合成繊維の製造や自動車・建設機械部品の金属表面処理などの工業用途の他、火力発電所やゴミ処理施設の排煙に含まれる窒素酸化物(NOx)の除去に使われており、ライフラインに欠かせない役割を担っている。また、昭和電工の液化アンモニア「エコアン」は使用済みプラスチックを原料の一部に使用した製品で、大手電力会社からグリーン調達品として認定を受けるなど高い評価を得ている。今後火力発電は高稼働が予想されることから、液化アンモニアについても堅調な需要が見込まれている。
旧物流基地は、東北6県および新潟への出荷基地として、2010年3月に昭和電工子会社の丸昭興業の運営により相馬港で操業を開始した。しかし東日本大震災が発生した2011年3月以降は、製造拠点である昭和電工川崎事業所(川崎市)から直接、顧客に製品を届けている。大震災から約2年が経過し、操業を再開した顧客や稼動を高めている火力発電所に対して液化アンモニアの安定供給体制を整えるため、今回同基地の再興を決定した。
さらに昭和電工は、エコアンを基礎化学品事業における主力製品としてさらなる販売強化を図るため、物流基地を昭和電工本体の事業所として運営することを決定した。同施策にともない、昭和電工は丸昭興業を4月25日付で吸収合併する。
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