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ロームと愛知製鋼の業務提携、高まる次世代センサへの期待
ロームと愛知製鋼が業務提携を行うと発表した。今回の提携は両社の技術を融合し、開発・生産での協力関係を構築することで、センサ市場の開拓を推進することが目的だという。[写真拡大]
様々なロケーションサービスなどへの急速な普及が見込まれ、アンドロイドやWindowsにおいても仕様として規格化されたことから、市場拡大が期待されている磁気センサ。この磁気センサにつき、ローム<6963>と愛知製鋼<5482>が業務提携を行うと発表した。両社の技術を融合し、開発・生産での協力関係を構築することで、センサ市場の開拓を推進するとのこと。
ロームは、実績の高い近接センサや照度センサのほか、2009年にグループ会社化した米国カイオニクス社の加速度センサ、ジャイロセンサなど幅広いセンサラインアップを有している。近年は、市場の小型化要求に応えるため各種センサの複合化にも取り組んでおり、9軸、10軸等といった次世代の複合センサの開発推進のため、高性能の磁気センサであるMIセンサに注目していたという。一方の愛知製鋼は、磁気インピーダンス現象を応用した磁気センサの開発に世界で初めて成功。携帯電話やスマホ用の電子コンパスを2002年に市場投入し事業拡大を図っていた。
今回の業務提携によりロームは、8インチシリコンウエハによるMI素子の高能率量産ラインを敷設し、愛知製鋼からMI素子の製造委託を受けることに。製造ライン構築に必要なMI素子製造設備・技術は、愛知製鋼からノウハウを供与、あるいは、ロームとの共同開発で対応するという。愛知製鋼のMI素子製造工場(岐阜工場)は、今後も内製工場として、コア素材供給と自社製センサ用のMI素子製造および試作等に活用する。その他、愛知製鋼はロームに対し、磁気センシング技術全般に関するハード・ソフトのサポートを行い、ロームは、完成したMI素子を組み込んだ磁気センサの販売を実施する。
両社とも第3四半期決算を発表したばかりだが、決して順風とは言えない。環境が厳しい中、愛知製鋼のMI素子および磁気センシング技術と、ロームが保有する半導体加工技術の融合により生み出される高性能のセンシングデバイスは、この状況を打破することが出来るのであろうか。富士キメラ総研によると、2020年には2011年比38.6%増の4兆5293億円にまで拡大すると予測されている市場であるだけに、今後のシナジー効果に期待したい。(編集担当:井畑学)
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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