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三井物産、米社と藻類を活用した高付加価値油脂の研究開発委託契約を締結
三井物産は7日、米Solazyme, Inc.(ソラザイム社)と藻類を活用した高付加価値油脂製造の研究開発を行うことで合意し、2月6日に研究開発委託契約を締結したと発表した。同研究開発では、三井物産が総額18億円の研究開発費を4年間にわたって投資し、藻類から高付加価値油脂の製造技術確立を目指す。
潤滑油添加剤や樹脂添加剤などに使用される高付加価値油脂は、通常パーム(油やし)、ココナッツなどから製造されるが、原料作物の栽培地域が限定されるため産出量には構造的な制約がある。同研究開発では、必要とする油脂成分のみを選択的に製造する技術を確立し、将来需要の拡大が見込まれる用途に高付加価値油脂を安定的に供給することを目標としている。
ソラザイム社はバイオテクノロジー分野で先進的な技術を保有する企業で、藻類を使った油脂製造に関しては既に燃料用途や化粧品用途で技術を確立し、商業化に成功している。また、必要な油脂成分のみを選択的に製造する技術力を生かし、化学市場への事業展開を検討している。
三井物産は、持続可能な社会づくりのため、原油やガスなどの化石資源に加え、糖、油脂などのバイオマス資源を原料とした環境負荷の低いグリーンケミカル・バリューチェーンの構築に取組んでいる。今回開発を行う高付加価値油脂の商業生産に成功した後は、三井物産が出資する油脂化学品製造会社PALM-OLEO社(マレーシア)の原料として活用するなど、油脂化学品市場(粗原料換算推定2兆円)への供給を推進していく。また、三井物産は、今回の研究開発の取組みを基盤とし、将来的には化学品や工業用途向け高付加価値油脂の製造事業についても検討していく。
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