NTTと東工大、プラズモンの伝搬速度を制御する技術を開発

2013年1月19日 15:29

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記事提供元:スラド

hylom 曰く、 NTTと東京工業大学は、光信号をプラズモンの形でナノメートルサイズに閉じ込めて制御することを可能にする技術の実証に成功したそうだ。将来的にはチップ内の電子回路をプラズモン回路に置き換えることで大幅な高速化や低消費電力化ができると期待されているとのこと(東工大のニュース記事東工大の報道発表資料: PDFNature Communications掲載論文日本経済新聞の記事)。

光によるデータ伝送は高速かつ低データ損失だが、光デバイスのサイズを光の波長以下にすることは困難で、数10ナノメートルのコンピューターチップに用いることはできなかった。そのため、光と同様に波の形でデータを伝送でき、ナノメートルサイズに閉じ込めることができるプラズモンの利用が期待されている。従来、プラズモンの研究には金属が用いられてきたが、制御性が乏しくデータ損失も大きかった。NTTと東工大はグラフェンを使用することで、マイクロ波領域での伝搬速度を数十~数千キロメートル/秒の範囲で変化させることができたという。今後は光通信に応用するため、テラヘルツ~光学周波数に実験を拡張し、プラズモンの速度変化を利用したスイッチングやルーティングの実証を目指すとのこと。

ちなみに、プラズモンについては東工大の報道発表資料内での解説がわかりやすい。

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