楽天、国際間小口保冷輸送による海外販売サービスを開始 ヤマト運輸と連携

2013年1月17日 20:32

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 楽天は17日、インターネットショッピングモール「楽天市場」の海外販売サービス「Rakuten Global Market」において、1月17日から、生鮮食品を新鮮な状態のまま保冷輸送する国際間小口保冷輸送を活用し、香港のユーザー向けに日本の楽天市場店舗が扱う海産物の海外販売サービスを開始したと発表した。

 楽天が開始した国際間小口保冷輸送の取組みには、楽天の子会社で物流サービスを提供する楽天物流との連携のもと、ヤマト運輸が全日本空輸(ANA)と2012年11月から共同で展開している沖縄国際物流ハブを利用したアジア圏におけるスピード配送サービスの物流モデルを活用している。同サービスでは、沖縄を発着する深夜便を含む豊富なANAの航空ネットワークと、24時間通関、国際物流特区での保税倉庫などの機能と施設および海外の宅急便ネットワークをフル活用し、台湾、シンガポール、上海、香港、マレーシア等のアジアの各地域に向けた最短翌日配送による国際宅急便を提供している。

 楽天では、2008年から「楽天市場」の海外販売サービス「Rakuten Global Market」を開始しており、現在「楽天市場」の出店店舗の約4万店のうち約7,000店舗が海外向けにも商品を販売できる体制を整え、世界の200カ国以上へのファッションやアクセサリー、玩具商品等を中心とした販売実績を誇っている。一方、これまでも同海外販売サービスにおいて、海外から日本の生鮮食品の購入に対しても多くのニーズが寄せられていたが、新鮮な状態で日本から海外へ生鮮食品を宅配する配送ネットワーク等の障壁が高く、実現が難しい状況だった。

 このような背景のなか、楽天は、ANAとヤマト運輸の沖縄国際物流ハブを利用したアジア圏における国際物流ネットワークと日本国内のネットワークをフル活用することで国際間の保冷輸送を可能にし、生鮮食品の海外販売サービスの第一弾として、北海道のタラバガニ、福井県のズワイガニ、長崎県のアワビ等の商品を、日本の海産物への需要が高い香港の富裕層や日本人駐在員をターゲットに、旧正月のホリデーシーズンに合わせて販売を開始する。1月17日から1月末までの注文分を楽天物流が楽天市場店舗から取りまとめ、ヤマト運輸との連携により、香港まで一括して新鮮なままで保冷輸送し、現地のクール宅急便で購入者へ宅配する。

 楽天では、今後も海外向け販売サービス「Rakuten Global Market」においてヤマト運輸と連携し、国際間小口保冷輸送の対応商材や配達地域の拡大等を順次検討することで、日本の楽天市場店舗の海外向け販売を引き続き支援していくとともに、世界中のユーザーに日本が誇る商材を広く販売していく体制を整えていく。

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