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2013年の旅行動向、海外旅行人数は過去最高を予測
世界経済の減速を背景に、為替動向や、欧州、中国などの対外経済環境の先行きが不透明である一方、復興需要と堅調な個人需要が下支えし、緩やかな回復が見込めるという見方も出てきた国内経済。これを裏付けるように、内閣府の「国民生活に関する世論調査」の「これからの生活の力点」の推移は、レジャー・余暇生活は2010年を底に食住より高い比率で上昇。2013年前半も引き続きレジャー・旅行への前向きな消費意欲は持続すると予測されている。
こうした中、JTBが2013年の旅行市場についての見通し調査の結果を発表。1981年の調査開始以来33回目となる本調査では、国内旅行人数が前年比0.3%増の2億8700万人、海外旅行人数も前年比1.5%増の1870万人、訪日外国人数は前年比7.9%増の890万人と予測している。
旅行市場を左右する2013年の連休の日並びに関しては、GW・正月を除く週末の3連休が8回と2012年より3回多い。またGWは、4月30日から5月2日まで平日が3日間入るため、前半3連休と後半4連休に分かれる形となり、8月の旧盆時期は8月13日~8月15日が週の真ん中に位置するため、前後の1日を休むことで5日連休を取る人も増えると予測されることも、市場の堅調さを維持する要因とみられている。 また、円高基調には変わりなく、2012年10月以降、エアアジア・ジャパン、ピーチ アビエーション、ジェットスター・ジャパンなどの主要LCCが海外への運航路線を拡大させていることもあり、旅行先の選択にあたって国内と海外を比較検討する人が増加すると予測。さらに団塊世代が65歳に達する2012年以降、完全退職者は順次増加していく。旅行への興味が高い完全退職者が増加することで、60代の国内旅行や海外旅行の増加が予測され、2013年も完全退職者層マーケットが市場を牽引しそうである。
国内旅行に関しては、東京スカイツリー <9001> の1周年や、10月に復元工事の完了した東京駅舎、2013年4月に予定されている銀座の歌舞伎座のこけら落とし、東京ディズニーランド <4661> が開園30周年を迎える等、東京観光への人気は堅調に推移しそうである。さらに伊勢神宮が20年に1度の第62回式年遷宮の年であり、出雲大社も60年に1度のご修造が終わったことで、こうした方面への観光客増加も見込まれる。一方の海外旅行に関しては、中国や韓国への渡航者は10月以降落ち込んでいるものの、2012年並にまで回復、中国も微減程度に留まると予測されている。
旅行市場の拡大は、景気回復の指標として重要な要因であることは間違いない。今後消費を牽引すべきシニア層が旅行をすることも歓迎すべきであろう。しかし、国内の景気動向を考えた場合、海外旅行の際の現地での消費よりも、国内での消費を増加させることを期待したい。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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