マイクロ波による通信でレイテンシの短縮を狙う超高速金融取引

2012年12月13日 18:09

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記事提供元:スラド

eggy 曰く、 近年ではコンピュータを使い超高速で取引を行う手法が広く使われてるようになっているが、このような取引手法ではミリ秒単位の時間差(レイテンシ)が莫大な利益を左右することになるという。そのため、低レイテンシを可能にするマイクロ波通信技術に金融界から注目が集まっているとのこと(本家/.IT World記事)。

 マイクロ波を利用することで、光ファイバーよりも数ミリ秒早く情報を伝送することができるという。真空中における電磁波、つまり光の伝送速度は秒速30万kmであり、空気中でもその速度に違いはほとんどない。いっぽうマイクロ波は2地点間をまっすぐに結ぶ最短経路で行き来するため、光ファイバーに比べて経路が短いという利点があるという。

 理論上の数字で計算すると、金融企業が集中するニューヨークとシカゴをマイクロ波通信で接続した場合、情報は7.96ミリ秒で伝送されることになるのだそうだ。ただ、現在の最先端技術を用いた場合の伝送時間は8.5ミリ秒とまだ理論値には達していない。そのため、金融企業に最良のサービスを提供するべくレイテンシーを減らして他企業にミリ秒の差をつけようとプロバイダー各社がしのぎを削っているとのこと。

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