東芝、モバイルプロセッサ用キャッシュメモリ向けの低電力STT-MRAMを開発

2012年12月11日 17:12

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記事提供元:スラド

ymitsu 曰く、 このところ次世代不揮発性メモリに関する開発が活発化しているが、東芝は12月10日、モバイルプロセッサ用キャッシュメモリ向けの低消費電力STT-MRAMを開発したと発表した(東芝のニュースリリースPC Watchの記事)。

プロセッサのキャッシュメモリとしては現在SRAMが使われているが、SRAMはリーク電流が大きく、特にモバイル向けでは電力の消費が軽視できないという問題がある。SRAMの代わりに不揮発性メモリであるMRAMを使用することで待機電力を減らすことが出来るものの、MRAMは動作状態での消費電力が大きく、結果的にトータルではSRAMより消費電力が大きくなるという問題を抱えていた。

従来のSTT-MRAMは省電力化と速度向上が二律背反の関係にあったが、東芝ではメモリ構造を改良して素子の微細化を進めることで、消費電力を下げつつ動作速度を上げることに成功。また、リーク電流のパスがない回路を新たに設計することで、動作状態でも待機状態でも常にリーク電流がゼロになるノーマリオフ回路構造を実現した。これにより、消費電力をSRAMの3分の1程度に低減できたとのこと。

東芝は今後、さらに実用化に向けた開発を進める。なお、本技術はNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「ノーマリオフコンピューティング基盤技術開発プロジェクト」の成果を含んでいるとのこと。

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