シャープ、太陽電池セルで世界最高変換効率37.7%を達成

2012年12月5日 13:00

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 シャープは5日、3つの光吸収層を積み重ねた化合物3接合型太陽電池セルで、世界最高変換効率となる37.7%を達成したと発表した。

 これは、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「革新的太陽光発電技術研究開発」テーマの一環として開発に取り組んだ結果、産業技術総合研究所(AIST)において世界最高変換効率を更新する測定結果が確認されたもの。

 化合物太陽電池セルは、インジウムやガリウムなど2種類以上の元素からなる化合物を材料とした光吸収層を持つ変換効率の高い太陽電池。今回シャープが開発した化合物3接合型太陽電池セルは、インジウムガリウムヒ素をボトム層として3つの層を効率よく積み上げて製造する独自の技術を採用している。

 この3つの光吸収層で、太陽光の波長に合わせて効率よく光を吸収し電気に変換することに加え、光吸収層の周辺部を最適処理することにより光を電気に変換する面積比を増やした。これにより太陽電池の最大出力が高まり、世界最高変換効率の37.7%を達成した。

 シャープは今回の開発成果を活かし、今後レンズで集光した太陽光を電気に変換する集光型発電システム用や人工衛星などの宇宙用、移動体用などの様々な用途での実用化を目指していく。

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