新政権を期待した展開=犬丸正寛の相場展望

2012年11月16日 16:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■「セメントから人へ」&「デフレ歓迎」などの政策から転換

  来週(19~22日)は、『新政権への期待相場』の展開から日経平均は上値のフシ9200円台に挑戦が予想される。

  16日、衆議院が解散された。2009年9月に民主党が政権に就いて3年。国民が現政権をもう一度選ぶか、あるいは自民党が中心の政権となるのか。さらに、第三勢力がどの程度勢力を伸ばすか。まだ、新政権のはっきりした姿は見えて来ないものの、現在の支持率の低さからみて民主党政権に戻ることは難しいだろう。恐らく、自民党を中心とした政権運営とみられる。

  そうなれば、『セメントから人へ』政策に代表される民主党の庶民寄り「分配型優先政策」がひと区切りを迎えるものとみられる。民主党政権誕生当初は、「物の値段が下がることはよいこと」と言っていたデフレ歓迎論的な政策も変わってくる。デフレが生活にとって、いかに厳しいものか国民は肌で感じた。当然、新政権はマイルドなインフレを目指すため、先ずは思い切った金融緩和が予想される。土地、株の上がらないような経済では元気はでない。金融緩和は為替には円安要因であり輸出型企業にはプラスである。

  金融緩和と同時に新政権には、経済活動に元気の出る仕組み作りに力を入れてほしい。日中、日米、日ソなどの外交面を強固にして企業が力を発揮できる仕組み。あるいは、震災でダメージを受けた地域の新しい街づくり、災害に強い日本列島などが急がれる。とくに、こうした仕組みつくりは民間ベースでは限界で今こそ政府の出番である。

  奈良から京都、鎌倉、江戸へ「都」が変わったように、思い切って首都機能移転で日本をリセットするくらいのことをやらないと日本沈没になりかねない。

  週末、日経平均は11月7日以来の9000円台を回復した。直近の足元のボトム8619円(13日)から413円(4.8%)上昇した。しかし、過熱感はない。当面、上値のフシとなっている9200円台へ挑戦とみられる。ただ、フシ突破には、為替の行方など新政権の政策を見極めてから、ということになるだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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