国際チーム、地球深部探査船「ちきゅう」によるマントルの掘削に挑戦。予算見積もりは約10億ドル

2012年10月5日 10:20

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記事提供元:スラド

 taraiok 曰く、

 日米英などの科学者から構成されるチームは、生命の起源と進化についての謎を解く鍵とされているマントル層の調査を進める計画だ。マントル層は固体でありながら流動し、その動きが地球環境の変動に重要な役割を果たしていると考えられているが、人類はその現物を拝めていない。マントル層の調査にはもっともマントルに近い海底からでも 6 km ほど超硬岩を破りながらドリルを掘り下げる必要がある (CNN.com の記事本家 /. 記事より) 。

 計画では日本の地球深部探査船「ちきゅう」を使用する計画。「ちきゅう」は海洋掘削技術で世界記録の 2.2 km に達し、地底下 7.5 km まで掘削する能力を備えている。プロジェクトの一員である英サウサンプトン大学の Damon Teagle 氏は、それでもドリルがマントルに到達するためには課題が多いという。最大の問題はドリルビットの耐久性で、現在のドリルビットは 50 〜 60 時間使用すると交換が必要となる。これに伴い 10 億ドルの巨費が必要な点も問題だという。

 しかし、Damon Teagle 氏は 10 億ドルが必要であってもマントルのサンプルを入手する価値はあるとしている。地球の質量の 68 % を構成しているマントルの組成を解明するのは、惑星がどのように機能しているのかを知る重要な手がかりとなるとしている。なお、計画では 2020 年代にはマントルに到達する予定らしい。

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