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インドでも「宇宙開発と貧困問題」が対立
taraiok 曰く、 インドは中国やパキスタンとの対立関係にあり、軍事転用のしやすいロケットなどの宇宙開発に力を入れている。2008年にはインド初の無人月探査機「チャンドラヤーン1号」の月面着陸に成功、将来的に米国、中国、ロシアなどと同様に有人宇宙ミッションを行う計画もある。9日には大阪工業大学の開発した小型人工衛星がシン首相らが見守る中、同国のPSLVロケットで打ち上げられるなど宇宙ビジネスにも熱心だ。しかし、こうした宇宙開発には莫大な資金が必要だ。このため、多くの国で宇宙開発に批判的な層は存在している。とくにインドは、国内に非常に多くの貧困層を抱えていることから、こうした貧困層を中心に宇宙開発に対する批判が根強い。シン首相は、インドが抱えているこうした貧困問題を認めつつも、宇宙計画のための技術開発は、国全体の経済発展の重要な要素であると強調している(examiner、sorae.jp、産経新聞、マイナビ、本家/.)。
「宇宙開発と貧困問題の対立」の歴史は長い。アメリカでは、アポロ11号が月面に着陸する前年の1968年に、公民権運動の指導者として知られるキング牧師(Martin Luther King, Jr)の暗殺事件が起きた。キング牧師の遺志を継いで公民権運動の指導者となったRalph David Abernath牧師は、当時の宇宙探査の縮小を要求している。近年では2004年にブッシュ大統領(パパのほう)が宇宙探査計画を提案すると、米民主党は貧困対策に予算を回すように追求したこともあった。バラク・オバマ大統領は就任後、宇宙関係の予算を大幅にカットしている。
The Space ReviewのSam DinkinMonday氏は、こうした「宇宙開発と貧困問題の対立」は悪徳政治家に選挙のための便利な方便として使われてしまっている。すでに米航空宇宙局(NASA)に費やされる予算は現在年間170億ドルにまで縮小し、いまさら予算を減額しても、年間数千億もの費用が投入されている社会プログラムにはたいした影響を与えないだろう。また近年活発になりつつある民間宇宙開発の隆盛はこの議論を複雑にしている。Virgin GalacticやStratolauncher、Planetary Resourcesなどのような一般にも成功が知られる宇宙関連企業が誕生し、宇宙は収益を生むものになりつつある。「宇宙開発と貧困問題の対立」はすでに時代遅れのテーマだとしている。
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