過去最長143kmでの量子テレポーテーション実験に成功、衛星通信も視野に

2012年9月11日 18:52

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 Waterloo大学などの国際研究チームが、大西洋上のラ・パルマ島とテネリフェ島、カナリア諸島の間で行われた実験で、光子を使った量子テレポーテーションでは過去最高となる143kmの距離での観測に成功したと発表した。143kmは地表から衛星軌道との間の最短距離である近地点高度と同等。このため、143kmでの実験成功は、量子テレポーテーションを使った通信技術を実現する上で重要なマイルストーンと考えられていたという(ScienceDaily/.J過去記事本家/.)。

 研究チームの一人であるhomas Jennewein教授は、「今回の成果は地上局と周回衛星間の量子テレポーテーションの可能性に繋がる」としている。なお、今回の実験のためJennewein教授は、光子転送の同期が行われたことを観測するためのアルゴリズムを新たに開発したそうだ。衛星ベースの量子通信ネットワークの開発を行うには、10億分の1秒以下の精度で観測するための超高精度クロックが必要となるそうで、現在、大規模な量子通信ネットワークの構築に焦点を当てて研究を行っているとしている。また、Vadim Makarov助教授と博士課程の学生Elena Anisimovaさんは濁った空気条件でも高精度観測が可能な高感度光子検出器を設計したという。Makarov助教授は、宇宙空間と通信では地上の実験よりも大気の障害は少ないだろうとしている。

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