NHK、消費電力1/3・寿命7倍の有機ELデバイスを開発

2012年9月4日 17:38

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 日本放送協会(NHK)は、いつでもどこでも放送サービスを楽しんでもらえるよう、有機ELデバイスを用いた超薄型で曲げられるフレキシブルディスプレイの研究開発を進めているが、今回新たな材料を組み合わせることにより、省電力と実用的な寿命を兼ね備える赤色発光有機ELデバイスの開発に成功したと、4日発表した。

 有機ELデバイスの中で光を発する発光層は、発光材料と、それを分散させて電気エネルギーを発光材料に受け渡すためのホスト材料で構成される。従来、発光材料にはイリジウム錯体が一般的に用いられていたが、抜本的な性能改善に向けてはイリジウム錯体以外の発光材料を用いたデバイスの開発が大きな課題だった。

 今回、発光材料として白金錯体を用い、ホスト材料として新たにベンゾキノリン誘導体を用いた材料を組み合わせることによって、従来のイリジウム錯体を用いたデバイスに比べて1/3の省電力化と7倍の長寿命を実現した。

 今後は、赤色発光有機ELの省電力・長寿命特性をさらに向上させるとともに、緑色・青色発光の有機ELデバイスも試作する予定。これらの各色有機ELデバイスの開発により、フレキシブルディスプレイの早期実現を目指す。

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