生産性向上で雇用機会の減少に

2012年8月8日 10:35

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 ブルース・グリーンウォルドとジャド・カーンによると、生産性向上を目指した結果による雇用創出力の低下はグローバル化による低下をはるかに上回っているそうです。それは確かに、国内で雇用を創出したら労働者を守ることができるのにという典型的な嘆きとは異なります。

 その著書“Globalization: n. The Irrational Fear That Someone In China Will Take Your Job”で、グリーンウォルドとカーンは論旨の根拠を米商務省の調査に置いています。その調査によると、2000年から2006年のあいだに製造業で喪失された雇用の65%は生産性の上昇を図った結果で、海外へのアウトソーシングに起因するものは35%のみでした。

 実際、秘書たちや事務職員たちはパソコンに取って代わられ、自動車産業ではロボットが仕事を引き継ぎ、コールセンターはインドに移転されました。しかし、生産性が上がる理由は、新技術に関することだけではありません。我々は常に生産性を再評価しなければならないのです。一つの場所で働いている人が少なければ少ないほど、一人ひとりにかかる期待はさらに高まります。新しい技術が生まれれば、新たな雇用が創出されます。景気が低迷していますから、企業では改編が行われます。人的生産力が不要になることは決してないのです。

 上記の著書は、2008年末に起こった財政危機が原因で生産性が低下する以前に書かれたものです。ですから、現在では当然ながら不安要素はさらに増えています。これを受けて、生産性には今まで以上に注目が集まっています。仕事を続けられるかどうか心配なときこそ、自分の価値をしめさなければなりません。今まで学んできたタイムマネジメントのあらゆるテクニックを応用するのは、そのときです。もし、物事がなかなか進まなかったら、その時間を利用して書類や仕事場の整頓をやり直しましょう。

 自分の時間を生産的に使えるようになると、心配事から気をそらすことができます。そして、いずれは達成感を感じ、状況が整ったときには努力が報われるはずなのです。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

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