CERN、「ヒッグス粒子」らしきものを発見したと発表

2012年7月4日 17:50

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 4日の記者会見で欧州合同原子核研究所(CERN)が神の粒子とも呼ばれる「ヒッグス粒子」を発見したという内容を公表するとの期待が広まっている。「ヒッグス粒子」の提唱者であるPeter Higgs氏が4日の記者会見に呼ばれていることも、この憶測を加速させる要因となっている(mailOnlineウォールストリートジャーナル日本語版本家/.)。

 ヒッグス粒子は、存在が確認されると宇宙において質量を持つ物質もあれば、エネルギーしか持たない物質もある理由が説明できる。素粒子が宇宙でどのように相互作用するかを説明する「標準理論(Standard Model)」の不完全な部分を補うものとされている。

 これまで、ヒッグス粒子の質量が何であるのか分かっておらず、手探りで存在を追求してきたが、昨年12月、CERN監督下の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)での実験の結果、存在する可能性のある質量レンジが限定されてきた。このデータを元に、米国チームが2日に「ヒッグス粒子」の存在を示唆する新たなデータを発表したが、それだけではヒッグス粒子の存在を確認するには十分でない。統計上の有意性を示す尺度であるシグマでは550分の1、2.9シグマにとどまるとされている。

 粒子が発見されたかを確認するには5シグマ水準(訳注=99.99995%確実)に達する必要がある。今回の実験結果では4シグマ水準に到達する可能性があるという。

 そして7月4日、CERNが「CERN experiments observe particle consistent with long-sought Higgs boson(CERNの実験でヒッグス粒子と矛盾のない粒子を観測)」というプレスリリースを発表した(日本語訳)。ヒッグス粒子とは断定されていないが、ヒッグス粒子とみられるものを観測できた、ということのようだ。

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