大塚製薬と協和発酵キリン、糖尿病領域とがん領域で戦略的提携

2012年6月29日 16:57

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 大塚製薬と協和発酵キリンは29日、糖尿病領域とがん領域において、戦略的な提携を推進することに合意したと発表した。

 具体的には、協和発酵キリンは、大塚製薬が保有する「サキサグリプチン」(一般名)の日本における独占的な開発・販売権の譲渡を受ける。一方、大塚製薬は、協和発酵キリンから契約時に30億円、日本における製造販売承認時に82億円を受け取る。また、発売後は、大塚製薬は協和発酵キリンから、売上高に応じたロイヤルティを受け取る。

 さらに、大塚製薬と協和発酵キリンは、協和発酵キリンが保有するがん領域の品目について、日本およびアジアにおいて戦略的な提携を推進することに合意した。大塚製薬および協和発酵キリンは、がん領域を医薬品事業の重点領域と位置付けており、今回の提携が成立することは互いの事業の強化につながるという。

 大塚製薬の岩本太郎社長は、「この度、協和発酵キリン社と当社の強みを生かし、両社の将来の発展へとつながる戦略的な提携を推進できることを嬉しく思う。当社は、中枢神経領域、がん領域および循環器領域を医薬品事業の重点領域として事業展開を推進しており、がん領域では、血液がん領域の事業を行っている。この度の協和発酵キリン社との戦略的な提携関係の構築により、当社の目指すがん領域の事業基盤の強化につながるものと期待している」と述べている。

 また、協和発酵キリンの花井陳雄社長は、「当社は、がん、腎、免疫/アレルギーの3つを重点領域としているが、今回の大塚製薬社との戦略的提携により、2つの領域について事業基盤を強化することが可能になり、嬉しく思う。糖尿病は、慢性腎疾患の発症、進行に関わる代表的疾病の一つであり、その治療薬『サキサグリプチン』を保有することは、腎領域製品の拡充となり、この領域の医療により一層貢献することができる。またがん領域においても、今回の戦略的提携を速やかに実現させて、より多くの患者さんに必要となる医薬品をお届けしていきたいと考えている」と述べている。

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