日本コカ・コーラ、最長16時間の冷却停止を実現した自販機を開発

2012年6月27日 16:58

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ピークシフト型自動販売機「A011号機」フィールドテスト用デザイン(画像:日本コカ・コーラ)

ピークシフト型自動販売機「A011号機」フィールドテスト用デザイン(画像:日本コカ・コーラ)[写真拡大]

 日本コカ・コーラは27日、富士電機の子会社である富士電機リテイルシステムズとの共同開発による超省エネ自動販売機開発プロジェクト「アポロ」で、冷却のための電力を最長16時間使用しない、ピークシフト型自動販売機「A011号機」の開発に成功したと発表した。7月2日よりフィールドテストを実施する。

 今回開発に成功したピークシフト型自動販売機「A011号機」は、冷却のための電力使用を、一般的に電力使用が「ピーク」となる日中から、比較的電力に余裕がある夜に「シフト」しているのが特徴。

 従来の自動販売機では、消費電力抑制のため、販売状況に応じて収容製品の一部のみを冷却していたため、冷却を長時間停止すると庫内の温度が少しずつ上昇する。しかし、ピークシフト型自動販売機「A011号機」では、比較的電力に余裕がある夜間に収容製品の全量を冷却し、保冷機能を高めることで、長時間冷却を停止しても製品が温度上昇することを抑制する。また、真空断熱材をより多く採用することで断熱性能を高め、外気温の影響を受けにくくしている。さらに、扉の気密性を高める改良を行い、冷気が逃げにくくする工夫を施した。これらの取り組みにより、政府の節電要請に応えつつ、冷たい製品を提供することが可能になる。

 日本コカ・コーラは、ピークシフト型自動販売機「A011号機」の市場への本格導入に向け、猛暑で有名な埼玉県熊谷市、および岐阜県多治見市周辺において、7月2日から約2ヶ月間、「A011号機」のフィールドテストを実施する。

 なお、日本コカ・コーラは今夏、沖縄県を除く全エリアにおいて、輪番による冷却停止による15%の使用電力削減の取り組みを7月2日より実施する。また、新規購入する缶・PET自動販売機の全台を2011年よりノンフロン化し、2012年以降は全台にLED照明を搭載している。

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