世界の主要経済指標(分析と市場の反応)6月14日分

2012年6月15日 10:33

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【6月14日の主要経済指標と市場の反応】

■米国株式市場は追加緩和や各国中銀協調資金供給の期待感で上昇、為替はユーロ買い戻しやや優勢

  14日の日本株式市場やアジアの主要株式市場は、前日13日の米国株式市場が下落した流れを受けて概ね軟調だった。

  14日の欧州株式市場は高安まちまちで、米国株式市場は上昇した。追加緩和に対する期待感に加えて、ギリシャ再選挙で緊縮財政支持派が政権を獲得するとの観測も広がった。またロイターが「ギリシャ再選挙後の混乱に備えて世界の主要中央銀行は流動性供給対策を講じる用意がある」と報じたことも好感した。外国為替市場ではユーロ買い戻しが優勢になった。

≪14日 日本≫

  4月鉱工業生産確報値(2005年=100、季節調整済み)は95.4となり前月比0.2%減少した。速報値の同0.2%上昇から下方修正された。また4月製造工業稼働率指数(同)は91.8となり同0.6%低下した。市場は反応薄だった。

  株式市場は前日の米株安を受けて下落したが、薄商いで様子見ムードの強い展開だった。外国為替市場も様子見ムードが強く、終日小動きだった。

≪14日 アジア・オセアニア≫

  ニュージーランド準備銀行(中央銀行)は政策金利を現行の2.50%で据え置くと発表した。11年4月から連続10回の据え置きで、市場の予想どおりの内容だったため反応は限定的だった。

  主要経済指標の発表はなかったが、前日の米国株式市場が下落した流れを受けて、中国などアジアの主要株式市場は総じて軟調だった。

≪14日 ユーロ圏≫

  ユーロ圏5月消費者物価指数改定値は前年同月比2.4%上昇となった。速報値および市場予想と同水準で反応は限定的だった。

  スペインの10年債利回りがユーロ導入後初めて7%台に上昇し、イタリアの10年債利回りも6.3%台に上昇した。これを受けて序盤は、株式市場は下落し、外国為替市場ではユーロ売りが優勢だった。しかし、イタリア3年債入札で落札利回りが前回に比べて上昇したが需要は概ね順調だったことや、ギリシャ再選挙で緊縮財政支持派が勝利して政権を獲得するとの観測が広がり、株式市場は下落幅を縮小し、外国為替市場ではユーロ買い戻しがやや優勢になった。

  ロイターによると、関係筋が「スペインの銀行に対する独立監査がG20首脳会議前の18日にも終了し、その結果600億~700億ユーロ規模の支援が必要との結論がまとまるだろう」との見通しを示した。

  またロイターはG20当局者の話として「17日のギリシャ再選挙の結果を受けて金融市場に混乱が生じた場合に備えて、世界の主要中央銀行は市場の安定化と信用収縮の阻止に向け流動性供給対策を講じる用意がある」と報じた。外国為替市場ではユーロ買い戻しが優勢になった。

≪14日 米国≫

  米5月消費者物価指数は前月比0.3%低下、前年同月比1.7%上昇となった。4月の前月比横ばい、前年同月比2.3%上昇に比べて下落し、市場予想も下回った。ガソリン価格の下落が影響した。食品・エネルギー除くコア指数は前月比0.2%上昇となり、4月の同0.2%上昇と同水準で、市場予想とも同水準だった。

  米週間新規失業保険申請件数は38.6万件で、前週改定値の38.0万件(37.7万件から上方修正)に比べて0.6万件増加し、市場予想を上回った。また4週移動平均は38.2万件となり、前週時点の37.85万件に比べて増加した。

  米12年1~3月期経常収支は1373億ドルの赤字となった。11年10~12月期改定値の1187億ドルの赤字(1241億ドルの赤字から上方修正)に比べて赤字幅が拡大した。市場予想に対しても赤字額が上回った。

  米国株式市場は上昇した。米5月消費者物価指数が下落したことや米週間新規失業保険申請件数が増加したことを受けて追加緩和期待が広がった。またロイターによる「週末のギリシャ再選挙後の市場の混乱に備えて世界の主要中央銀行が協調資金供給を用意している」との報道を好感した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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