二輪市場にも広がる、女性をターゲットとした試みとは

2012年6月11日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 女性専用車両や女性専用の高速バス、映画館のレディースデーや女性専用フロアのあるインターネットカフェなど、年々充実する女性をターゲットとしたサービスや商品。サービスの向上や低迷する市場を活性化させる方法として女性をターゲットとすることは今や常套手段となっている。二輪車の業界でもその傾向は現れており、女性ライダーをターゲットとした講習や企画が多く実施されている。

警視庁では、東京都内に居住又は勤務している女性を対象にレディース バイク・オートバイ安全教室を毎月開催。ホンダが開催するバイクスクールでも、初級・中級コースに女性限定のコースを設置している。また、日本人女性として唯一世界GP参加経験を持つ元トップレーサーの井形とも氏が代表を務めるチームマリは、「女性ライダーのための"中高速走行"に特化したプログラム」としてビューティー・サーキットレッスンを開催。楽しむ場としてのサーキットを女性に紹介している。こうした中、ヤマハ発でも女性をターゲットとしたイベントを開催。これが手軽で楽しいイベントとして人気が広がりつつあるという。

「ヤマハレディースライダーサポートレッスン」と題されたこのイベントは、オートバイライフに不安を持つ女性ライダーをサポートする為に、2008年から長野県軽井沢町で合宿形式のイベントとして実施。今年からは開催地を首都圏に移してプログラムも手軽な日帰りに変更して実施されている。ライダーの不安を取り除くため、イベント前には参加者と密に連絡を取る、レッスン中もこまめに休憩を取る、景色がよく信号の少ないコースを設定するといった配慮だけでなく、ホテルでのランチ&カフェに温泉露天風呂といった女性が喜ぶポイントを押さえたイベントとなっている。このイベント開催のきっかけは、以前からある企業が実施していた「楽器挫折者救済合宿」というイベントにあるという。子どもの頃には楽器と触れあっていたのに、成長するにつれて離れてしまう。そういった人を対象にした合宿が行われており、最終日に行われる演奏会では感激の涙を流す人もいるそう。こういう状況はオートバイにもあるのではないか、という考えから企画された。

女性は、慣れるまでは時間がかかるものの、軌道に乗るとその行動力は男性の比ではない。さらに、良いと思ったり、楽しいと感じたことを周囲に伝達する女性の発信力は、男性には太刀打ちできないという。一般社団法人自動車工業会が公表した2011年度二輪車市場動向調査によると、趣味性の高い126から250ccのオンロードスポーツバイクユーザーの女性比率が、2009年度の8%から11年度は18%と、10%も増加している。この潜在需要を取り逃さない為にも、こういった女性をターゲットとしたイベントは今後増えていくのではないだろうか。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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