東芝が読み出し・書き込みを大幅に高速化したPC向けSSDを量産

　東芝が、19nmプロセスの同社製NAND型フラッシュメモリを採用したPC向けのSSDを世界で初めて商品化し、今年8月から量産を開始すると発表。2.5型HDDと同じ幅・長さのケースに入った厚さ9.5mmおよび7mmのタイプと、小型でケースのないmSATA(厚さ3.95mm)の計3タイプ。記憶容量は64GBから512GBで、合計11製品のラインアップを展開している。

　今回の新商品は、最新の高速インターフェース規格である「SATA　Revision　3.1」に対応するとともに、独自のNAND型フラッシュメモリの高速化技術により、従来製品に比べ読み出し速度が2.2倍以上の524MB/s(500MiB/s)、書き込み速度が2.4倍以上の461MB/s(440MiB/s)を実現しているという。また、SSDコントローラの電源制御技術により、世界最高水準の0.1W以下を実現しているとのこと。さらに、同社独自開発の誤り訂正技術である「QSBC」を新たに採用。「QSBC」では、複数のエラー訂正回路それぞれがSSD内部で発生する様々なエラーに対処することで、効率的で、より精度の高い処理を実現。TRIM(トリム)機能にも対応しており、SSD特有の長期使用後の書き込み速度の低下を低減することが可能となっている。

　その他、NAND型フラッシュメモリに記録されたデータの内部移動時の予期しない電源遮断や書き込みエラーに際し、移動されたデータを守るデータ保護機能を搭載しています。また、装置温度が高くなった場合に、消費電力を落としデータ処理速度を下げる、自動電力調整機能をオプションで搭載可能だという。

　ガートナー社の調査によると、世界の半導体市場において、日本企業としてはトップの売り上げを誇る東芝。今後も大容量化や高速化などさまざまなユーザーニーズに応えるSSDを商品化するとのことであるが、急成長するSSD市場においてリーダーシップを発揮することは出来るのであろうか。今後御動向に注目が集まりそうである。