東北大、パレイドリアを利用したレビー小体型認知症の検査方法を開発

2012年6月2日 11:24

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記事提供元:スラド

rm -fr 曰く、 東北大の研究グループが新たに開発した「パレイドリアテスト」を用いる検査方法で、認知症の1種であるレビー小体型認知症とアルツハイマー病を高い精度で鑑別することに成功したとのこと。研究成果は英科学誌「Brain」に掲載された(プレスリリースBrain掲載論文の概要マイナビニュースの記事)。

レビー小体型認知症はアルツハイマー病に次いで患者数が多いとされる認知症型疾患で、特徴の1つに幻視がある。しかし、短時間の診察で幻視が観察されることはまれで、ほかの認知症と早期に見分けることは難しいという。パレイドリアテストは、壁のしみや雲の形が人の顔や動物の姿などに見える錯視「パレイドリア」を利用するもので、風景などの写真に何が見えるかを説明してもらうという単純な検査を行う。

検査では幻視の有無に関わらず、34名のレビー小体型認知症患者全員にパレイドリアを誘発した。一方、アルツハイマー病患者でパレイドリアが誘発されたのは34名中4名のみで、高い精度で両者を鑑別できるという。今後はパレイドリアテストにより、レビー小体型認知症の早期診断や早期治療、幻視の病態解明などが期待されるとのことだ。

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