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4月の景気ウォッチャー調査:製造業に試練の夏がやって来る
5月10日に内閣府から発表された4月の「景気ウォッチャー調査」。景気の先行き判断DI(※下部に説明あり)は前月より+1.2ポイントで50.9で2ヶ月ぶりの改善となりました。構成比は「良くなる」が1.3%、「やや良くなる」が24.7%、「変わらない」が54.0%、「やや悪くなる」が16.3%、「悪くなる」が3.7%となりました。
DIの内訳を見ると、「家計動向関連」では、小売関連が+0.9ポイントで49.7、飲食関連が-0.4ポイントで48.4、サービス関連が+3.0ポイントで53.4、住宅関連が-1.6ポイントで48.7。「企業動向関連」では、製造業が+0.3ポイントで50.0、非製造業が+1.4ポイントで49.4。「雇用関連」は+1.6ポイントで55.9となりました。
判断理由を見ると、「良くなる(やや良くなる)」の理由には、「復興プランが動き出せば上向き始めるとみている(電気機械器具製造業)」「国内では東京スカイツリーが開業し、海外ではオリンピックが開催され、旅行気運が盛り上がりを見せつつある(旅行代理店)」「都内近郊に大型の商業施設が相次いでオープンして消費を刺激し、多大な経済的効果をもたらす。特に東京スカイツリーの開業効果はこれまでの人の流れを変え、既存のパイの奪い合いではなく新規需要の創出が期待される(百貨店)」などが上げられています。
一方、「悪くなる(やや悪くなる)」の理由には、「製造業の一部で円高に対応するための組織再編が行われ、下請会社との契約解除が行われたことにより、大量の失業者の発生が予想される(職業安定所)」「電気料金の値上げ分を売上に転嫁できず、利益がマイナスになる。これに電力不足が重なれば、なお苦しくなる(金属製品製造業)」「自動車製造企業の話では、現在はエコカー補助金で自動車販売は比較的好調であるが、補助金は本年度上半期で予算を消化してしまう見込みで、下半期は販売が落ち込む可能性がある。そのため、下半期は派遣企業との契約を切るかもしれないとしており、それを考慮している(職業安定所)」などが上げられています。
昨年から話題になっている「復興需要」ですが、未だにがれきの処理が進んでおらず、本格稼動に至っていないようです。今話題のスカイツリーの集客期待はかなり高いようですね。あれだけ連日メディアに取り上げられていれば当たり前といえば当たり前でしょうか。自動車を中心とする製造業は円高・電気料金高・補助金終了でかなり苦しくなりそうです。なかなか明るい先行き見通しが得られませんね。相場もしばらくは停滞といった感じでしょうか。
※景気の2~3カ月先行きに対する5段階の判断に、「良くなっている+1点」「やや良くなっている+0.75点」「変わらない+0.5点」「やや悪くなっている+0.25点」「悪くなっている0点」の点数を与え、調査時に判断理由とともに回答してもらい計算しています。調査対象は家計・企業・雇用を観察できる立場にある人々。調査期間は毎月25日から月末にかけて行われます。50が景気の転換点で、50を上回れば景気拡大、下回れば景気縮小の予想を意味します。
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