三菱商事が米国からLNG輸入へ、米社と基本契約合意

2012年4月18日 11:32

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液化契約イメージ図(画像:三菱商事)

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 三菱商事は17日、センプラ・エナジー社(本社:米カリフォルニア州)の子会社であるキャメロンLNG社(本社:米国カリフォルニア州)との間で、約400万トン/年の米国産天然ガスの液化契約に関する主要条件に合意し、今後正式契約締結に向けて協議を行うこととなったと発表した。

 昨今、米国では天然ガスの急激な生産増に伴い、液化天然ガス(LNG)輸入用に建設された基地に天然ガスの液化設備を新たに併合させることで、LNG輸入基地を輸出基地に転用する動きが進んでいる。キャメロンLNG社が保有するキャメロンLNG輸入基地(所在地:ルイジアナ州)も、輸出基地への転用工事を2013年後半より開始し、年間1,200万トンのLNGを2016年末より生産・輸出する計画が現在検討されている。現在、キャメロンLNG社は、自由貿易協定(FTA)締結国向けのLNG輸出許可を米国エネルギー省から取得しているが、日本を含むFTA未締結国向けの輸出許可は昨年12月に申請され、現在承認待ちの状態となっている。

 三菱商事は、原料となる天然ガスを市場から調達のうえ、LNG基地運営者であるキャメロンLNG社に約400万トン/年の天然ガスの液化作業(LNG生産作業)を委託し、生産されたLNGを需要家に販売する。なお、原料ガスについては、三菱商事が34%保有する米独立系ガスマーケティング会社であるシーマ・エナジー社(本社:テキサス州)などを通じての調達も検討する。

 日本は現在、LNGの大部分を東南アジアおよび中東から輸入しているが、米国からもLNGを輸入することで調達先の多様化に繋げるとともに、米国内の天然ガス市場も活用した柔軟性のある供給計画を実現させ、エネルギーの安定調達を目指す。

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