スウェーデンで経済のキャッシュレス化がすすむ

2012年3月22日 21:07

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 1661年にヨーロッパで最初に紙幣を導入したスウェーデンは、強盗などの犯罪対策の問題から、急速にキャッシュレス経済に向かって動きつつある。現在、市場での現金による請求はユーロ経済圏の平均9%、米国の平均7%と比較すると、スウェーデンの経済では平均わずか3%にまで減少しているという。CBS NEWSの記事による、すでにスウェーデンの都市部では、公共バスの支払いは前払いチケットもしくは携帯電話の電子決済などに限られているそうだ(本家/.)。

 スウェーデンの銀行協会によると、この効果は銀行強盗の少なさに表れているという。2008年には110件の銀行強盗が発生したが、2011年には16件までに急落、これは30年前に統計を取り始めてから過去最小の水準である。

 オーストリアのヨハネスケプラー大学の経済学教授Friedrich Schneider氏は、こうした電子商取引の普及と追跡技術の進歩はスウェーデンよりも強い現金文化をもつ国、例えばイタリアまたはギリシャなどが抱える汚職問題などの解決にもつながるとしている。

 しかしその一方で、サイバー犯罪のリスクは増加しているそうだ。スウェーデンの国民評議会によると、スキミングなどをふくむコンピューター詐欺事件の数は、2000年には3,304件だったが2011年には約20,000件に急増したという。

 今後、スウェーデンを含むキャッシュレス経済に向かうであろう国々は、どのようにして政府の(通貨発行による)経済コントロール権と市民の権利、経済効率、プライバシー問題のバランスを取るかという課題に直面することになるだろう。

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