JX日鉱日石エネルギー、震災対応SSの実証展開を開始 宮城県石巻市に1号店

2012年3月15日 11:59

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宮城県石巻市の「新・震災対応SS」全景(写真:JX日鉱日石エネルギー)

宮城県石巻市の「新・震災対応SS」全景(写真:JX日鉱日石エネルギー)[写真拡大]

  • 宮城県石巻市の「新・震災対応SS」2階屋上スペース(写真:JX日鉱日石エネルギー)         

 JX日鉱日石エネルギーは14日、東日本大震災の教訓を踏まえたENEOS「新・震災対応SS(サービスステーション)」の実証展開の開始にあたって、同日、その第1号店(店舗名:Dr.Drive石巻大街道店、運営:カメイ株式会社)を宮城県石巻市に開所したと発表した。

 JX日鉱日石エネルギーは、2006年より、災害などにより停電が起きた場合でも燃料油供給を可能とすることを目的に、計量機を作動させるための小型の緊急用発電機と、手動式の給油ポンプを常設した「震災時給油可能SS」を全国展開してきた。しかしながら、東日本大震災では、多くのSSで津波による浸水により電気系統が損傷し、給油不能となる事態が生じた。こうした新たな課題に対応するため、停電のみならず浸水への対策を講じ、さらには地域の住民に対する生活インフラ支援を可能とすることでより広範な災害によるリスクに対応する「新・震災対応SS」の実証を行っていく。

 今回開所した1号店では、浸水対策として、モーター簡易交換方式の計量機を導入し、建屋2階へ大型の緊急用発電機を設置することで給油機能の即時復旧が可能となる。さらに、緊急時の生活インフラ支援として、携帯電話用充電器(10台同時充電)、飲料水(貯水槽)および生活用水(井戸水)、一時避難場所として提供可能な建屋屋上のスペースなどを備える。また、平常時からの省電力対策として、太陽光発電システム、燃料電池エネファームを設置するとともに、キャノピー灯と室内灯をLED照明とし、「大震災に強い設備を有する、地域貢献型かつ省エネ運営のSS」とした。

 今後、2013年度までに東北から九州にかけての太平洋側の12市区に各1ヵ所づつ、同様の「新・震災対応SS」を設置・実証し、今後の生活インフラとしてのSSの機能向上を検討していく。JX日鉱日石エネルギーは、震災などによる緊急時を含めたエネルギーの安定供給体制の構築を目指すことで、東日本大震災からの復興と、将来を担う次世代が安心して暮らせる持続可能な社会の実現に貢献していく。

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