JFEエンジニアリング、米国にEV用急速充電器「ラピダス」を設置

2012年3月14日 12:13

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ポートランド市「エレクトリックアベニュー」に設置されたラピダス(写真:JFEエンジニアリング)

ポートランド市「エレクトリックアベニュー」に設置されたラピダス(写真:JFEエンジニアリング)[写真拡大]

 JFEエンジニアリングは14日、カリフォルニア州サンディエゴと西海岸のオレゴン州ポートランドの2箇所に、EV用急速充電器「ラピダス(RAPIDAS)」を設置したと発表した。

 カリフォルニア州サンディエゴ市において、JFEエンジニアリングは昨年12月、大手のガス・電力会社であるサンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック社(SDG&E)より、EV用急速充電器を日本企業で初めて受注し、今年2月、同社構内に設置した。JFEエンジニアリングの急速充電器「ラピダス」は、受電の際に50kWの大電力を必要とせず電力を平準化して使えることから、ピーク電力使用量に従って追加課金されるデマンドチャージを抑制できる点が採用の決め手になった。

 また、オレゴン州ポートランド市では、市内街路に「エレクトリックアベニュー」を設け、各種充電器を設置し一般開放している。「ラピダス」は日本企業の製品として初めて同プロジェクトに選定され、今年2月に設置された。JFEエンジニアリングは、兼松株式会社と共同で利用状況や管理状況などのデータを収集・分析による実証を進め、米国での拡販に向けた新機種の市場投入を図るという。

 蓄電池を搭載した「ラピダス」は、20kWの小電力で通常の急速充電を行うことが可能なため、他形式に比べ設置場所の受電設備や電力配線の整備に要する費用を軽減できるのが特徴。米国、特に西海岸では、脆弱な送配電ネットワークがEV普及の障害になると懸念されており、小電力で使用できる「ラピダス」は、こうした米国の電力供給事情に適しており、世界最高グレードの充電器として米国州政府やエネルギー関連企業等から高い関心が寄せられている。

 JFEエンジニアリングは、今後も米国で「ラピダス」の提案を積極的に展開していくという。さらには、次世代機として開発した「8分で80%」の充電が可能な超急速充電器「スーパーラピダス」の普及についても展開していく方針。

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