ブリヂストン、植物の天然ゴム資源「グアユール」の研究活動を開始

2012年3月9日 11:48

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「グアユール」(写真:ブリヂストン)

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 ブリヂストンは8日、同社グループとしてタイヤの主要原料の中で大きなウェイトを占めるパラゴムノキ由来の天然ゴムに代わるあらたな天然ゴム資源を探っているが、その1つとして、「グアユール」に関する研究開発活動を、米国南西部において開始すると発表した。「グアユール」は、米国南西部からメキシコ北部の乾燥地帯が原産の低木で、その幹部などに天然ゴムを含んでいる植物。

 今回、同社グループの取り組みでは、サプライチェーンの主要部分である農学と加工プロセスの双方を検討し、競争力に優れたタイヤ用天然ゴムの製造を目指して、「グアユール」の品種改良や栽培技術、天然ゴム加工のプロセス条件において最適化を行う。また、同社グループには、1980年代から1991年にかけて「グアユール」のバイオマスからタイヤ用ゴムを回収するアメリカの国家プロジェクトで、天然ゴム加工プロセス開発やタイヤ実証を担った経験があり、この経験も活かしていく。

 今回の研究開発は、2012年にあらたに設置する試験農場と2014年に本格稼働を目指す加工技術研究施設において専任チームがおこない、2015年までに試験生産を開始する予定。

 「グアユール」由来の天然ゴムは、在来の天然ゴムと同様、植物がうみだすバイオマテリアルだが、グアユールは従来のパラゴムノキとは全く異なる土地で栽培される。実用化が可能になれば原材料供給源の多様化につながり、現在の天然ゴム産出地域への一極集中の緩和につながると共に、米国大陸での地域生産地域消費によるメリット等も期待される。

 ブリヂストングループは、「グアユール」を始めとした様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提としながら、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考え、タイヤの原料を100%サステナブルマテリアル化することを目指していく方針。

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