日産、住友不動産新宿グランドタワーにEV「リーフ」の電力供給システムを導入

2012年2月28日 17:58

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電力供給システム「LEAF to Community」の内容(画像:日産自動車)

電力供給システム「LEAF to Community」の内容(画像:日産自動車)[写真拡大]

 住友不動産と日産自動車は28日、電気自動車(EV)「日産リーフ」の駆動用バッテリーを活用した電力供給システムを、「LEAF to Community」として住友不動産のオフィスビル向けに共同企画し、昨年12月にグランドオープンした大規模複合開発プロジェクト「住友不動産新宿グランドタワー」に、今年3月より導入すると発表した。

 「住友不動産新宿グランドタワー」は、安心・安全面への配慮として、地震や強風による建物の揺れを軽減する「制振構造」をはじめ、もしもの事故に備えた変電所からの2回線受電や、停電時には約72時間の電力供給が可能な非常用発電機を実装するなど、「BCP」(事業継続計画)に対応する必要不可欠な各種設備を備えている。また、仮設トイレ、非常用井戸を設置した広場や、帰宅困難者の一時避難場所として活用できる大型多目的ホール「ベルサール新宿グランド」と一体で、災害時の地域防災拠点の役割を担っている。住友不動産が都内12ヶ所に展開する多目的ホール「ベルサール」は、昨年3月11日の東日本大震災の際も帰宅困難者向けに開放された実績がある。

 今回日産と住友不動産が導入する電力供給システムは、「住友不動産新宿グランドタワー」のさらなる防災機能拡充を図るため、「日産リーフ」を災害時の補助電源として活用するもので、複合開発において導入されるのは日本初となる。

 具体的には、多目的ホールの仮設照明、携帯電話の充電器、及び災害設備として井戸ポンプ、浄水器への利用を想定しており、「日産リーフ」1台で、イベントホールへ約42時間、災害用設備へ約8時間、それぞれ電力を供給できる。「住友不動産新宿グランドタワー」の駐車場に電力制御装置(PCS)を設置することによって充電・給電が可能となる仕組みになっている。

 なお、「住友不動産新宿グランドタワー」は442台の駐車場を有しているが、今後電気自動車の駐車場利用比率が高まれば、蓄電池の容量が増えることになるため、災害時の補助電源としての活用に協力できる電気自動車の所有者向けに、現在優遇システムを検討しているという。

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