「スパイウェア付き無料版」で違法ユーザーを減らせるか?

2012年2月23日 17:59

印刷

記事提供元:スラド

eggy 曰く、 本家/.記事「Ask Slashdot: Copy Protection Advice for ~$10k Software」より。

 私はビデオ編集ソフトウェアの開発を行う小さな会社の共同所有者の一人だ。今のところまだ儲けは少なく、しかも最近、我々の提供するソフトウェアが違法アップロードされているようになってしまった。潜在的な顧客の一部だけでなく、顧客になる見込みのない人までもが何も支払わずにソフトを使用していることになる。我々がかけているコピーガードを解除するのはそんなに難しくはないのだが、私は、開発者がDRMの強化に時間を費やすよりもプロダクトの開発に集中して欲しいと思っている(というのも、どんなに保護を強化したウィジェットでも認証を回避してコピーされてしまうと確信しているからだ)。

 そこでお訊ねしたい。10,000ドル以下の正式版をリリースする一方で、「非商用利用」コピー版をリリースするのはおかしいだろうか? コピー版にはユーザーの行動を追跡するスパイウェアをつけ、正式版はスパイフリーとする。こうすれば正式版のコピーガードを解除しようとする動機を低下させられるのではないかと考えている。実直な企業は代金を支払うようになり、また何も支払わずにお金儲けしようとする人達を特定できるかもしてない(そして、その中で一番お金のある人を訴えるのさ)。

 本家/.ではこれに対し、「ハードウェアドングルを使えばいいのでは?」や「起動時にインターネット経由でシリアルナンバーをチェックするなどの方法がある」といった対策を提案するものや、「どのような情報を集めて何に使うのかをはっきりさせるべき」などスパイ行為に関する意見が寄せられている。しかし、これらに拒否感を感じるユーザーも多いようで、「起動時のシリアルナンバーチェックは馬鹿げている。それをするなら海賊版を使うね」や、「スパイウェア的な無料ソフトをリリースしている企業は信じられないね」といったコメントもある。「そもそも違法コピーが出回る前に対策はすべきで、もう遅すぎるよ」という声もあった。

 また、「非商用版を作って、ユーザーに最低限の個人情報登録と、プライバシに配慮したレポート送信を行うのなら悪くないと思うよ。ただ、スパイは良くない。別のモデルとしては、ソフトは無料で提供してサポートを有償にする、という手もある。あと、海賊版の存在は無視してしまう、というのもオプションとしてある。海賊版の存在は直接的な被害になるわけではないし、海賊版ユーザーはもし必要があればお金を払ってくれるかもしれない」という意見もあった。

 スラッシュドットのコメントを読む | ITセクション | ソフトウェア | 海賊行為

 関連ストーリー:
Minecraft開発者、無料化の要望に「海賊版で遊べ」と回答 2012年02月06日
BitTorrent を用いた海賊版ダウンロード、Sony、Universal、Fox からも行われた事が判明 2011年12月16日
Adobe に代表される、海賊版込みのビジネスモデル 2011年04月07日
合法的に配信されているアニメではなく違法配信版を見る理由 2011年02月25日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事