パナソニックなど、停電時に自立運転可能なガスエンジンヒートポンプを開発

2012年2月8日 16:28

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「GHPエクセルプラス」(室外機)の外観(画像:東京ガス)

「GHPエクセルプラス」(室外機)の外観(画像:東京ガス)[写真拡大]

 東京ガス、大阪ガス、東邦ガスのガス3社とパナソニックは8日、発電機能が付いたガスエンジンヒートポンプ「ハイパワーエクセル」に停電時にも運転ができる機能を付加した「GHPエクセルプラス」を開発したと発表した。ガス3社とパナソニックは、4月1日から同製品の受注を開始する。停電時にも運転が可能なガスエンジンヒートポンプ(以下GHP)の商品化は日本で初めてとなる。

 GHPは、ガスエンジンでコンプレッサーを駆動し、ヒートポンプによって冷暖房を行う空調システム。その中でも、「ハイパワーエクセル」は、エンジンでコンプレッサーと小型発電機を駆動することで空調と発電を同時に行うことができるGHP。発電した電力は、本体の室外機で使用する電力を全て賄うとともに、建物内の室内機や照明用に利用することができ、系統電力からの電気購入量を低減することが可能。しかし、発電機能を有しない他のGHPと同様、起動時にはエンジンなどを動かすことに系統電力を必要とするため、停電時は運転ができない仕組みになっていた。

 今回開発した「GHPエクセルプラス」は、冷房能力56kW(20馬力)、最大発電容量3.95kWの「ハイパワーエクセル」にバッテリーを内蔵したもので、通常時に同製品が発電した電力や系統電力をバッテリーに貯めておくことが可能。停電などにより系統電力からの電力供給が停止した場合には、「自立運転モード」に切り替えることで、バッテリーに貯めた電力を放電し、エンジンを起動、最大3kWの発電を行う。また、発電した電力を使い、冷暖房が可能になるとともに、最大0.7kWを予め選択した照明に利用することができる。起動後は、系統電力からの電力供給を受けずに、自立的に運転を継続することができる。「GHPエクセルプラス」のメーカー希望小売価格は924万円(税込み、設置工事費別)。

 東日本大震災を機に、停電時にも空調や最低限の照明は継続して使いたいという要望が、病院、老人福祉施設、賃貸オフィスなどを運営・管理する顧客を中心に急速に高まったことを踏まえ、ガス3社とパナソニックは「GHPエクセルプラス」を開発した。今後も電力ピークカットや省エネ・省CO2に貢献する空調システムとしてGHPをはじめとしたガス空調の普及拡大に努めていく方針。

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