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現代を生き抜くためのノウハウ満載!中小企業IT活用実践手法:第14回 中小企業の生産性向上と競争力強化策におけるIT経営
■IT経営における生産性向上手法
IT経営による生産性向上と手法には次に紹介する3つに分けることができます。
読者の皆さまの企業でもさまざまなIT化がなされていると思いますが、生産性向上と競争力強化にITを有効に活用していますか?次の内容をご参考に本連載記事の過去にご紹介しました事例と共に復習して頂けますと幸いです。
①人材活用高度化へのIT活用
従業員個人の持つ情報(ノウハウや提案書などの情報)をデータベースで共有化し、関係者が、さらに情報に磨きを掛けることで、現場力強化となる社内の情報活用が可能となってきています。また、個人の頭の中のスキルや情報などをデータベース化し、人事戦略や後継者育成、技術継承への活用も実現できるようになりました。
②仕事の仕組みと連携・統合化
今後は、政府支援のインフラで電子商取引が一般的に普及してきます。これらのインフラを上手く利用しSCM(サプライチェーンマネージメント)により製造業から流通業の一連のモノや情報の流れをコンピュータネットワークで結び、一つの企業内の業務プロセス構築によりキャッシュフロー最大化を目指すこと、そして国内やグローバルに海外取引先も含め業務連携をすることも可能となってきました。
③経営意思決定の合理化スピード化
環境が激変する現代の企業経営にはスピードが求められており、業務のスピードと共に経営意思決定のスピードが重要となってきています。
社内業務の各部門間、各機能別組織間、そして各階層に必要不可欠な経営や業務情報を全体最適化することで、経営者から従業員層まで課題と問題を見える化することができ、解決策の意思決定の合理化とスピード経営によるベクトルを合わせた効果的な活動ができるようになりました。
■IT経営における競争力強化手法
IT経営による競争力強化手法には次に紹介する3つに分けることができます。
④営業マーケティングへのIT活用
インターネットを活用することで、これまでとは異なるチャネルを構築し、新しい売上の柱を構築している企業が増加しました。また、顧客の取引情報や属性に関する情報をデータベース化して、全従業員で共有することで、顧客の特性や属性を社内で分析し、効果的な営業活動やマーケティングが可能になりました。
⑤新ビジネスモデル構築へのIT活用
IT利活用の中でも、最も先進的な活用方法で、特に、インターネットの普及が新ビジネスモデルを生み出すのに大きく貢献する時代のIT活用方法です。インターネット利用者が9,000万人を超えて、ネットでの受注はますます拡大が予測されます。その際、ネット受注は売上増大と同時に在庫管理に情報を連携させ、利益を確保できるようになりました。
⑥コミュニケーションの高度化
最近、社内の情報共有化にグループウェアによる情報共有インフラが普及しています。また、本格的なペーパーレス化を目指す企業もでてきており、さらには社内外の円滑な情報活用のために図面情報、ファイル情報、経営情報等の共有に対応している企業も増えてきています。
また、身近な携帯電話により企業でしか見られなかった在庫情報、販売情報を迅速に把握し、顧客とのコミュニケーションの高度化が可能となってきました。
特にSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の代表例であるFaceBookやTwitterなどをビジネスで活用する企業が増えてきました。
■中小企業の生産性向上と競争力強化策におけるIT経営
このようにIT経営によりさまざまな情報が社内社外で共有されることで、社内では全体最適化が進み、企業間連携も情報共有することで生産性向上と競争力強化に繋がっていきます。
第10回コラムの『経産省「IT経営力大賞」の事例紹介1(時計修理、販売業)』で紹介しました共栄産業様は、社内の時計修理情報を全員に見える化を行えるようにしたことで生産性向上に繋がりました。
第11回『経産省「IT経営力大賞」の事例紹介2(食品製造業)』で紹介しました東海物産様は、社内の個別最適になっていた財務、生産、営業、原価管理などのシステム情報を全て統一し全体最適化したことで生産性向上に繋がりました。
第12回『経産省「IT経営力大賞」の事例紹介3(精密加工業)』で紹介しました共立電機製作所は、工場の設備の稼働管理と製品の見える化で生産性向上に繋がりました。
第13回『経産省「IT経営力大賞」の事例紹介4(建設業)』で紹介しました中島建設様は、顧客情報や工事情報を全員に見える化することで生産性向上に繋がりました。
同時にこの4社は単に社内の生産性向上だけではなく、取引先やお客様に開示できる情報を公開し、営業マーケティング、そして新ビジネスモデルまで拡大しています。
そうです!このように中小企業では生産性向上と競争力強化策におけるIT経営を行うことで様々な副次的な効果も上がり、業績向上につながっていくのです。
では、次回は本連載記事の最終回として『IT経営を支援する支援者とその活用法』 についてお話していきましょう。是非、お楽しみに!!
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