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エルピーダ、次世代新メモリ「ReRAM」の開発に成功
エルピーダメモリは24日、次世代新メモリの一種である高速不揮発性抵抗変化型メモリ(ReRAM)の開発に初めて成功したと発表した。
回路線幅が50nm(ナノメートル)の製造技術プロセスを用いた試作品で、ReRAMでは世界最高レベルの大容量となる64M(メガ)ビットのメモリセルアレイ動作を確認した。なお、同開発は、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)との共同研究事業であり、シャープ、産業技術総合研究所および東京大学との共同実施として進めている。
ReRAM(Resistance Random Access Memory)は電圧を加えることで抵抗値が変化する材料を素子として用いた次世代半導体メモリ。同メモリは、電源を落としてもデータを保持できる不揮発性の新メモリで、データの読み書きが高速で消費電力も少ないのが最大の特長。
これに対し、DRAMはデータの読み書きの速度や回数などの面で、既存の不揮発性メモリよりも優れているが、電源を落とすとデータが消えてしまう性質(揮発性)を有している。一方、不揮発性メモリの代表格であるNANDフラッシュメモリは電源を落としてもデータを保持するが、性能面ではDRAMに劣る。ReRAMはこれら両製品のメリットを兼ね備える半導体メモリ。また、ReRAMは書き換え速度が10ns(ナノセカンド)とDRAM並みの速度でありながら、書き換え回数は100万回以上とNANDフラッシュメモリの10倍以上の耐久性を達成している。
今後さらに開発を進め、2013年にも30nmプロセスで容量がG(ギガ)ビット級のReRAMの量産を目指す。NANDフラッシュメモリなど既存の不揮発性メモリに比べて高速で、書き換え回数も多い新メモリを低コストで提供できれば、スマートフォン、タブレット端末、超薄型軽量ノートパソコンなど各種情報機器に搭載されるストレージ(記録媒体)用メモリの消費電力の大幅な削減に寄与する。
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