国際石油開発帝石、豪イクシスLNGプロジェクトに約1兆9千億円を投資

2012年1月13日 14:24

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豪ダーウィンにおける液化天然ガス(LNG)プラント建設イメージ図(画像:国際石油開発帝石)

豪ダーウィンにおける液化天然ガス(LNG)プラント建設イメージ図(画像:国際石油開発帝石)[写真拡大]

 国際石油開発帝石は13日、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトに関する最終投資決定を行ったと発表した。

 同プロジェクトは、国際石油開発帝石の子会社であるINPEX Ichthys Pty Ltd社など豪州グループ会社を通じて、TOTAL E&P Ichthys社とともに推進するオーストラリア連邦西豪州沖合WA-37-R鉱区ほかに位置するイクシスガス・コンデンセート田の開発プロジェクトであり、本邦企業が主導する初の大型LNG(液化天然ガス)開発プロジェクトとして、国際石油開発帝石は2016年12月末までの生産開始に向けて本格的な開発作業に着手する。

 同プロジェクトは、西豪州沖合に位置するイクシスガス・コンデンセート田より産出される天然ガスを、オーストラリア連邦北部準州のダーウィンに建設する陸上プラントにて液化し、年間840万トンのLNGおよび年間約160万トンの液化石油ガス(LPG)として生産・出荷するとともに、洋上貯油・出荷施設(FPSO:Floating Production, Storage and Offloading)等から日量約10万バレル(ピーク時)のコンデンセートを生産・出荷する大規模なプロジェクト。同プロジェクトの総投資額は340億ドルで、国際石油開発帝石の負担分(権益比率72.805%)は247億ドル、円換算でおよそ1兆9000億円を見込む。

 北部準州のダーウィンに設置する陸上LNGプラント(2トレイン)の建設は、日本の大手エンジニアリング会社である日揮株式会社をリーダーとする、千代田化工建設株式会社および米国のKBR社から構成される企業連合との間でEPC契約(Engineering, Procurement and Construction、詳細設計・資材調達・建設)を締結する。また、沖合生産施設やガス輸送パイプライン等に関するEPC契約については、国内外の主要企業との間で締結する。

 ダーウィンに建設予定の陸上LNGプラントから生産・出荷されるLNGについては、既に、東京電力、東京ガス、関西電力、大阪ガスおよび九州電力の5社からなるコンソーシアム、中部電力、東邦ガス、CPC Corporation, Taiwan、自社引取分として国際石油開発帝石およびTOTAL社との間でそれぞれ2017年から15年間の長期LNG売買契約を締結しており、同プロジェクトから生産されるLNGの7割相当が日本に仕向けられることが決定している。

 「本プロジェクトのLNG生産規模が日本のLNG総輸入量の1割強を占める大規模なものであることから、本プロジェクトの実現により、日本へのエネルギーの長期的な安定供給や、エネルギー調達におけるリスク分散に一層の貢献ができるものと考えている」と国際石油開発帝石はコメントしている。

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