日立ソリューションズ、EV充電インフラ管理サービス「emforest/EV」提供開始

2011年12月5日 12:01

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EV充電インフラ管理サービス「emforest/EV」の全体像(画像:日立ソリューションズ)

EV充電インフラ管理サービス「emforest/EV」の全体像(画像:日立ソリューションズ)[写真拡大]

 日立ソリューションズは5日、課金情報や充電器を管理し、遠隔監視などを実現するクラウド型EV充電インフラ管理システム「emforest/EV(エンフォレスト/イーブイ)」を、EV充電事業者向けに12月12日から提供開始すると発表した。同システムはクラウド型サービスによる提供と製品による提供を行う。

 現在、EVやプラグイン・ハイブリッドカー(PHV)の量産が本格化し、2020年には約100~400万台の普及が予測されている(国土交通省試算)。EVとPHVの普及には充電器の整備拡大が不可欠であり、EV充電事業者が容易に参入でき、かつ事業の持続が可能な環境作りが課題となっている。

 日立ソリューションズが今回提供を開始するEV充電インフラ管理サービス「emforest/EV」は、商業施設や観光施設などのEV充電事業者に向け、充電器の利用状況や課金情報の管理、決済、利用者認証、充電器の遠隔監視や遠隔保守、24時間対応のコールセンターなどEV充電インフラ管理に必要な機能を導入し、構築から運用までクラウド型サービスにてワンストップで提供するもの。決済機能では汎用性の高いFeliCa(Edy / Suica)、クレジットカード決済、コンビニ決済などのカスタマイズも可能となっている。さらに、地域内の自然エネルギー発電も含めた電力供給側と利用者を連携するCEMS(地域エネルギー管理システム)との接続により、地域の電力需要に応じたEV充電器の制御や自然エネルギー利用に応じて値引きするインセンティブ提供などが可能。

 そのほか、複数台の充電器に対応する充電管理端末ソフトウェアを搭載するなど、充電事業の規模に合わせた柔軟な構成を可能とすることでEV充電事業者の参入障壁を下げ、事業拡大にも対応している。また、自社でEV充電インフラを運用したい事業者には製品による提供を行う。

 具体的には、導入・構築面では、サービスコントローラー設定サービス、カード発行サービス、ルーター初期設定サービス、充電器接続確認支援サービス、トレーニングサービスを提供する。また、運用面では、充電インフラ管理機能提供サービス、EV利用者認証サービス、窓口機能提供サービス、コールセンターサービス、データ移行サービス、問合せサポート、充電器メーカー支援を提供する。

 同社は、今年2月より株式会社エー・イー・シー(本社:沖縄県那覇市)が沖縄本島全域で展開する充電器整備事業にEV充電インフラ管理サービスを提供している。今回、その本格商用レベルでの稼動実績を基に、高い信頼性と拡張性を持ったサービスと製品を開発した。
 

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