日立、EVバス運用管理システムを開発 茨城県日立市で実証試験

2011年12月2日 10:46

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EVバス運用管理システムイメージ図(画像:日立製作所)

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 日立製作所は1日、路線バスへの電気自動車(EV)バス導入に向けたEVバス運用管理システムを開発したと発表した。

 同システムは、新エネルギー導入促進協議会(以下、NEPC)の助成事業「平成23年度 次世代エネルギー技術実証事業」の実施先として採択され、2012年4月から2013年2月まで茨城県日立市で行うEVバス運用モデルプロジェクトの実証試験にて、実走行を通じたフィールド実証を行う計画であり、グローバル市場への展開をめざした検討も進めていく。また、日立は、同実証試験で使用するEVバスの充電方式に、非接触給電式を採用することを決定した。

 環境負荷低減の観点から、近年自動車分野でEV・PHVの比率が高くなっている。今後バスに関しても電動化が進むことが見込まれているが、路線バス向けにEVバスを導入・普及させるためには、充電時間や航続距離を考慮した配車計画や路線設定など、EVバスならではの運用・管理が必要になる。また、乗用車型のEVの数倍の電力が必要であり、導入する地域の電力供給への影響を考慮した充電管理が必要になる。

 日立が今回開発したEVバス運用管理システムは、日立がこれまでバス利用者とバス事業者の幅広いニーズに対応してきたバストータルソリューションの実績をもとに、EVバスの路線バスへの導入に向けて開発したシステム。

 主な機能として、今後、多種多様なEVバスやEVバス用充電器のバス路線への導入に対応するため、路線内で運用されるそれぞれのEVバスの走行特性およびEVバス用充電器の仕様に合わせた運用管理を可能とする機能を有している。また、バッテリー管理機能として、EVバスに搭載されるバッテリーごとの充・放電の実績と、バッテリーの劣化状態の情報を監視・蓄積し、その情報に基づく運用計画の策定およびバッテリー交換時期の予測を行うことができる。さらには、冷房などの電装品の稼働状況、乗車人員および渋滞状況などの情報を活用した消費電力を予測する機能を有している。

 また今回、日立市での実証試験に採用を決定した非接触給電方式を用いてのEVバスの充電は、既存の車庫・停留所への充電器の設置および充電作業のためのスペースの制約など、EVバス導入への課題の解決に有効な手段となっている。

 日立は、今回開発したEVバス運用管理システムを、茨城県日立市でのEVバス運用モデルプロジェクトにて実用化に向けた実証試験を行うとともに、日立の強みであるCEMS(コミュニティ・エネルギー・マネジメント・システム)やEV用充電器、EV充電器管理システムなどと連携させることにより、スマートシティにおける快適で安心なモビリティ環境のスマート化に貢献していく。

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