スズキ「アルト エコ」、ガソリン車トップの30.2km/Lを実現した低燃費化技術

2011年11月25日 11:26

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アルト ECO-S(画像提供:スズキ)

アルト ECO-S(画像提供:スズキ)[写真拡大]

 スズキは24日、軽乗用車 「アルト」をベースに、ガソリン車トップの低燃費である30.2km/Lを実現した新機種「アルト エコ」を、12月13日より発売すると発表した。価格は、「アルト ECO-L」が89万5,000円で、「アルト ECO-S」が99万5,000円。

 「アルト エコ」は、好評を得ているアルトの機能や装備、使い勝手はそのままに、スズキの低燃費化技術を結集し、省資源・低燃費を徹底的に磨き上げて、ガソリン車トップとなる30.2km/Lを達成したアルトの新機種。

 「アルト エコ」は、低燃費、低速トルクの向上、静粛性、軽量化を特長とするスズキの新世代エンジン「R06A型エンジン」を搭載し、さらに燃費性能を最大限に引き出すため、ピストンのコーティングのパターンや、ピストンリングの表面処理の変更など、フリクションを減らす技術を新たに取り入れた。さらに、低粘度オイルを採用するなど、副変速機構付CVTのフリクションを低減した。エンジンとCVTの協調制御をより細かく行うことで、パワートレイン全体での燃費性能を高めた。

 また、停車直前の減速時からエンジンを停止する、新アイドリングストップシステムをスズキで初めて搭載した。停車時に加え、ブレーキを踏んで9km/h以下になるとエンジンが停止し、アイドリングストップの頻度を高めることで、さらなる低燃費化を実現した。

 さらに、停車直前にアイドリングストップが作動し、完全に停車する前でもエンジンの再始動を可能にする新機構スターターモーターをスズキで初めて採用した。そのほか、アイドリングストップ可能な状態になると点灯するアイドリングストップランプを採用。事前に知らせることで、ドライバーに安心感を与えることができる。加えて、アイドリングストップ中にハンドルや専用スイッチの操作によるエンジンの再始動を可能とすることで、よりスムーズな発進を可能とした。坂道で車両の後退を抑制する、ヒルホールドコントロールも備えた。

 消費電力を抑えるエコ機能として、リヤコンビネーションランプ[LED]とハイマウントストップランプ[LED]を採用することで、消費電力を低減し、エンジンの発電に対する負担を減らした。また、軽自動車初の省電力燃料ポンプシステムを採用。運転状況に合わせて無駄なく燃料を供給することで省電力化した。

 また、徹底した軽量化でマイナス20kgを実現。エンジンを軽量コンパクトなR06A型に変更し、合わせてエンジンルームまわりの骨格を新設計することで軽量化した。そのほか、サスペンション部品やドライブシャフト、フルホイールキャップなど各部の軽量化を徹底し、新設計の軽量フロントバンパーも採用した。さらに、シートクッションのパッドを低密度化し、リヤシートバックの構造を変更しながらも、乗り心地を損なうことなく、軽量化を達成した。また、トランクボードの材質を変更することで、強度を保ちながら軽量化を行った。

 空気抵抗、回転抵抗、転がり抵抗などの走行抵抗も低減。乗り心地を損なうことなく全高を15mm下げ、車両下部で発生する空気抵抗を低減させることで空力性能を向上させた。空力特性に優れた形状のフロントバンパーも採用した。また、軽自動車初のハブ一体構造車軸ベアリングのフロントへの採用をはじめ、リヤ車軸ベアリングも構造の見直しにより回転抵抗を低減した。新開発のゴムを採用した専用タイヤは、内部構造を最適化することで、空気圧をより高めて転がり抵抗を低減した。加えて、走行中の引きずり抵抗を低減したフロントブレーキパッドを採用した。

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