我々が思うより、脳は多くを記憶している

2011年11月22日 12:00

印刷

記事提供元:スラド

 ある Anonymous Coward 曰く、

 意識的には記憶していなくても脳は多くを記憶していることを示唆する研究が発表された (Fellow GEEK の記事本家 /. 記事より) 。

 この研究は「プリンセスカード・トリック」と呼ばれる手品を応用した形で行われた。「プリンセスカード・トリック」では手品師が観客の一人にある一定枚数のトランプのカードを見てもらい、どれか一つを覚えておいてもらうことから始まる。次にカードを一旦まとめ、「観客が覚えた 1 枚を抜いた」カード群を見せるというもの。実際にはこの段階で見せるカード群は最初のカード群と全て異なるものであるため、観客が最初にどのカードを覚えていようと 2 度目に見せられるカード群にそれが入っていることはないというのがこの手品のタネだ。

 実験ではまずトランプ 6 枚からなるカード群を被験者に見せ 1 枚覚えてもらい、次に「覚えたカードを抜き取った」という全く異なる 5 枚のカードからなるカード群を見せたとのこと。更に新たに 2 枚のカードを見せ、そのどちらが第 1 のカード群に入っていたかを当てさせた。どの被験者も「分からない」「覚えていない」と口にしたそうだが、強制的に選ばせると 8 割という高い正答率であったとのこと。また人の顔の写真を使って同様の実験を行った際にも同じ結果が表れたため、この効果はトランプだけに限ったものではないことも明らかになったという。

 ただし、このような無意識の短期記憶は予測不能な面もあり、カードを選んでる間に被験者と会話を交わすと正答率が著しく下がったとのこと。とはいえ、「覚えていない」と思っていても情報は脳に存在しており、必要とあらば無意識にその情報を使えることをこの実験は表していると研究者らは話しているとのことだ。

 スラッシュドットのコメントを読む | mainpage | サイエンス

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事