日立、EV・HV用インバーターを小型化する直接水冷型両面冷却パワーモジュールを試作

2011年11月21日 14:57

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直接水冷型両面冷却パワーモジュール(試作品)(画像提供:日立製作所)

直接水冷型両面冷却パワーモジュール(試作品)(画像提供:日立製作所)[写真拡大]

 日立製作所と日立オートモティブシステムズは21日、電気自動車(EV)、ハイブリッド(HV)自動車用インバーターの心臓部であるパワーモジュールの小型化に寄与する、直接水冷型両面冷却技術を開発したと発表した。

 日立が同技術を適用して試作したパワーモジュールは、日立の従来パワーモジュールと比べて放熱特性は35%向上しており、床面積は50%に低減できることを確認している。

 近年、環境への配慮やエネルギー問題を背景に電気自動車やハイブリッド自動車などが普及している中で、より広い車内居住空間やさらなる燃費の改善を求める自動車ユーザーのニーズが高まっている。そのため、電気自動車やハイブリッド自動車などのキーコンポーネントの一つである車載用インバーターの小型化への要請も強まっている。

 車載用インバーターを小型化するには、多くのパワー半導体が集積されているパワーモジュールの放熱技術を開発し、冷却性能を高めることが必要。そこで、日立と日立オートモティブシステムズは、水冷方式を用い、パワーモジュールの発熱を直接冷却水へ放熱させる日立独自の直接水冷型パワーモジュールを開発し、冷却性能を高めたパワーモジュールを実用化してきた。

 今回試作したパワーモジュールは、従来のパワー半導体を片面放熱から両面放熱構造とすることで放熱経路を拡充し、さらに冷却性能を高めている。具体的には、パワー半導体の両側に放熱経路を形成するためのグリースを用いず、絶縁層を介して放熱経路を形成することで冷却性能を向上するとともに、熱流体、電気発熱、応力などの解析技術を駆使した最適な放熱構造などの設計技術により小型化を実現した。
 

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