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東証・大証統合観測報道は「狼少年」!「新聞辞令」は今度こそ本物?=浅妻昭治
「新聞辞令」は、今度こそ本物かもしれない。東京証券取引所と大阪証券取引所の経営統合である。新聞、テレビが、前週末に相次いで観測報道し、基本合意に達して、今週にも発表されるとした。[写真拡大]
【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】
「新聞辞令」は、今度こそ本物かもしれない。東京証券取引所と大阪証券取引所 <8697> の経営統合である。新聞、テレビが、前週末に相次いで観測報道し、基本合意に達して、今週にも発表されるとした。これまで何回も観測報道された経営統合だ。しかし観測報道されるたびに否定され、その後は、後追い報道も続かず、いつの間にか立ち消えとなるのがこれまで経過であった。メディアにとっては書き得とはいえ、観測報道そのものは、まさに「狼少年」となった感があった。
今回も、当の大証は、これまでと同様に「決定した事実はない」と否定コメントを明らかした。しかし、前週末の統合報道は、大手経済紙に続いて、国営放送(NHK)までが懇切な背景説明付きで後追い報道するなどと、これまでとはやや趣きを異にした。今度こそ「狼少年」の本当の「狼」を目にするのではないかと観測報道の確度を高めたようにも受け取れた。
傍証も揃っている。大証単独上場銘柄、大証主導上場銘柄がいやに元気なのだ。東証1部の売買代金が、1兆円割れと薄商いが続き、日経平均株価が年初来安値を窺う大軟調相場を尻目に、大証では年初来高値更新銘柄が続出した。
前週末18日も、新日本理化 <4406> (大1)、イソライト工業 <5358> (大1)、大紀アルミニウム工業所 <5702> (大1)、マルカキカイ <7594> (東1)、フジコピアン <7957> (大2)、オークワ <8217> (大1)と全市場合計21銘柄の3割弱を占め、このシェアは、大証のジャスダック市場銘柄も含めると過半を超えるなど気を吐いているのである。この北浜銘柄の逆行高は、東証・大証経営統合関連の思惑が引き金となっているとの見方もあるからである
市場変更が、株価の人気材料となるのは、すでに投資セオリーとなるほど株式市場では常識化している。この点でいまだにベテラン投資家の印象に強く残っている銘柄がある。石井表記 <6336> (東2)である。同社は、もともと2000年3月に廃止された旧広島証券取引所の単独上場銘柄だったが、その単独上場銘柄は、広証が東証に吸収合併されて東証2部に引き継がれた。石井表記もそのうちの1銘柄であったが、この東証2部シフトとともに「地方区人気」が、「全国区人気」へ変わって、売買の活発化につながった。
最近でも、昨年10月の大証ヘラクレス市場と日本証券業協会の旧ジャスダック証券取引所の統合では、新ジャスダック市場の新株価指数「JASDAQ-TOP20」の構成銘柄が、買い物を集めたことは記憶に新しい。個別銘柄でも、前週末に年初来高値更新と逆行高したマルカキカイは、東証2部、東証1部と指定替えされるたびに人気を高め、京阪電気鉄道 <9045> (大1)も、2006年3月の東証第1部上場以来、株価形成に厚みを増している。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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