東京ガスと正興電機製作所、「エネファーム」用の停電対応システムを開発

2011年11月2日 16:03

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家庭用燃料電池「エネファーム」用の「停電対応システム」の蓄電池(画像提供:東京ガス)

家庭用燃料電池「エネファーム」用の「停電対応システム」の蓄電池(画像提供:東京ガス)[写真拡大]

 東京ガスと正興電機製作所は2日、家庭用燃料電池「エネファーム」の運転を停電時にも継続することができる「停電対応システム」を共同開発したと発表した。東京ガスは、同システムを2012年2月から販売する。

 「エネファーム」は、都市ガスを燃料に、発電と排熱利用を行う住宅用のガスコージェネレーションシステム。「エネファーム」の運転には、起動時に水を循環させるポンプや燃料ガスを制御するブロワなどを動かすために電力を必要とすることに加え、発電は常に系統電力の電圧や周波数を基準に行うため、系統電力の供給を受ける必要がある。そのため、停電などにより系統電力が供給停止となった場合には、「エネファーム」は運転を停止する仕組みになっている。

 今回開発したシステムは、東京ガスと正興電機が共同で開発した蓄電池を「エネファーム」に併設したもの。通常運転時には、系統電力から蓄電池に電気を貯めておき、停電などにより系統電力が供給停止となった場合には、蓄電池に貯めた電気を系統電力に代わって供給することで、「エネファーム」の運転を継続することができる。照明、冷蔵庫、テレビなど、非常時に最低限必要となる電気を約24時間供給することが可能。

 東京ガスは、「エネファーム」を停電時にも運転させたいという顧客からの期待が、東日本大震災を機に急速に高まったことを踏まえ、今回、正興電機と従来から行っていた研究開発を加速させ、同システムの商品化を実現した。

 また、同システムでは、通常時は深夜など電力消費の少ない時間帯に充電し、日中の電力消費の多い時間帯に放電することにより、電力ピークカットに貢献することができる。

 同システムの蓄電池は、「エネファーム」に外付け(オプション)で設置する。新築時に加え、既に設置されている「エネファーム」にも後付け設置が可能。希望小売価格は、168万円(税込、設置工事費別)で、販売・施工・メンテナンスはオール東京ガスが行う。

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