三菱商事、米国でガスタービン発電所を2件新設 建設費用は約900億円

2011年10月14日 18:01

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各発電所の所在地(画像提供:三菱商事)

各発電所の所在地(画像提供:三菱商事)[写真拡大]

 三菱商事は14日、同社が出資する在米国「Diamond Generating Corporation(以下DGC)」が、米国カリフォルニア州において、再生可能エネルギーの導入を支えるガスタービン発電所を2件新設すると発表した。建設費用は合わせて約900億円、発電容量は合わせて100万キロワットとなる。

 一つは、カリフォルニア州アラメダ郡のマリポサ発電所で、発電容量20万キロワット。DGCが100%所有し、建設費用は2億4,000万ドル(約200億円)。2012年7月から、同州のパシフィック・ガス・アンド・エレクトリック社に売電を開始する予定。

 もう一つは、カリフォルニア州リバーサイド郡のセンティネル発電所で、発電容量80万キロワット。DGCがパートナーである米国Competitive Power Ventures、GE Energy Financial Servicesとともに所有し、建設費用は9億2,000万ドル(約700億円)。2013年8月から、同州のサザン・カリフォルニア・エジソン社に売電を開始する予定。

 米国では、風力発電や太陽光発電が急速に増加する一方で、電力需要のピーク時、並びに、天候により風力・太陽光発電所からの送電量が低下する際、素早く発電して電力を供給できるガスタービン発電設備(ピーク電源用ガスタービン発電所、以下、ピーカー)を拡充することが課題となっている。

 DGCは、こうした需要に対応するため、2004年にカリフォルニア州内で2件のピーカー(インディゴ発電所、ラークスパー発電所)を100%で買収し、運営ノウハウを蓄えてきた。今回、その実績を活かしつつ、新しく2件のピーカー(マリポサ発電所、センティネル発電所)を新設・運営する。

 DGCはピーカーの新設・運営で、再生可能エネルギーの導入を支えるとともに、風力発電事業(2010年10月に運転を開始したゴーシェンⅡ発電所、今年末に売電を開始するロックランド発電所)も展開しており、今後とも、複数の発電様式を組み合わせながら、米国社会の需要に応えることを目指す。

 DGCは現在、200万キロワットの持分容量を保有しているが、今後、現在建設中の各発電所が商業運転を開始することにより、計64万キロワット(マリポサ:20万キロワット、センティネル:40万キロワット、ロックランド:4万キロワット)が積み上がり、合計で264万キロワットとなる。

 三菱商事は、2010年7月に発表した中期経営計画において、地球環境事業を全社戦略分野と位置付け、現在、地球環境事業開発部門にて、再生可能エネルギーを含む発電事業を積極的に推進している。今後、2015年までに、全世界での持分容量を、現在の370万キロワットから600万キロワットに引き上げ、うち約1-2割を風力や太陽光などの再生可能エネルギーで賄う計画。

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