村田製作所、約200億円でフィンランドのセンサメーカーを買収

2011年10月11日 23:00

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 村田製作所は11日、フィンランドの「VTI Technologies Oy(以下「VTI社」)」の全発行済株式を、同社の完全子会社「Murata Electronics Europe B.V.(本社:オランダホーフトドルプ、以下「MEH」)」が取得することについて、VTI社の全ての株式保有者との間で、10月10日(現地時間)付で株式売買契約を締結したと発表した。今後、6ヶ月以内に買収を完了する予定。買収の完了後は、VTI社は同社の完全子会社となる。
 
 買収方法は、同社の完全子会社であるMEHが買収当事者となり、VTI社の株式保有者(投資会社および経営陣)からVTI社の全発行済株式を、現金を対価として取得する予定。

 買収金額は、負債を含め約200億円(1億9,500万ユーロ)で合意しており、当該取得対価はMEHの手元資金から支払うことを予定しているという。

 VTI社は、1991年に創業されたMEMS(メムス、Micro Electro Mechanical Systems)技術を基盤とするセンサメーカーで、独自の「3D MEMS テクノロジー」を使った自動車産業向け、医療機器向けシリコンベースの容量センサの開発および製造を行っており、その製品は、加速度、傾斜、衝撃、振動、角速度、圧力の測定に利用されている。特に、自動車産業用低G加速度センサおよび心調律管理(カーディアック・リズム・マネジメント=CRM)における世界のトップメーカー。
 
 MEMSはデバイスの小型化、高精度化、高信頼性、超寿命化、高強度化、低価格化、低消費電力化等を実現するキーデバイスとして、自動車分野、情報・通信機器分野、エネルギー、ライフケア、バイオなど幅広い産業、民生用途向けに市場が拡大している。

 同社は、そのような急速に拡大するMEMSセンサ市場において、同社が保有する製品群に、VTI社の卓越した3D MEMS技術を活用したMEMSセンサ製品群を獲得することにより、相互補完による同社センサ事業の強化、拡大につながるものと考えているという。

 「また、本件買収によって、当社が高いプレゼンスを有する民生向け用途市場に、VTI社が重点的に取り組んでいる自動車産業向け、及び医療機器向け市場の事業基盤が加わり、当社の開発力、販売力が強化され、将来にわたる持続的な成長を目指していく」と同社はコメントしている。


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