エルピーダ、円高・DRAM市況悪化への緊急対策:主力製品は4ギガビット品に移行

2011年9月15日 10:48

印刷

 エルピーダメモリは15日、円高とDRAM市況の悪化に対応する緊急対策を取りまとめたと発表した。主力製品を現行の2ギガビット品から4ギガビット品に移行するほか、広島向上の生産能力の一部を台湾の生産子会社に移設することも検討する。

 今回の緊急対策は、8月に過去最高値を更新し、足元で77円前後で推移している円高と、一年前に比べて約3分の1に急落しているDRAM市況の悪化に対応するもの。

 同社で生産するDRAM製品の主力は、現行の容量2ギガビット品から、原則としてすべて容量4ギガビット品に移行する。大容量製品へシフトすることで、価格下落圧力に対応していく。

 広島工場では、早急に製造プロセスの微細化を進めることで、生産性を高める。現行で製造プロセスが40ナノメートル(nm)の製品が主流だが、30ナノ製品などへの切り替えを推進し、コスト低減を図る。

 円高・DRAM不況が継続した場合には、広島工場の生産能力の一部を、コスト競争力の高い台湾の生産子会社レックスチップ(Rexchip Electronics、瑞晶電子)に段階的に移設することも視野に入れる。

 その他、材料、装置の集中購買による原価率改善、米ドル建て取引の拡大による為替変動リスク抑制、知的財産権の積極活用による特許収入の拡大にも取り組む。また、坂本幸雄 社長兼最高経営責任者(CEO)の報酬手取額を当面の間、100%カットする。

関連記事