体内細菌が気分に影響している?

2011年9月1日 19:06

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記事提供元:スラド

capra 曰く、 人間の消化器官には多くの細菌が生息しているが、中には我々の気分や行動に影響を与えているものもいるかもしれないことが分かってきたそうだ(論文要旨Science本家/.)。

 アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・コークで行われた研究でLactobacillus rhamnosusという乳酸菌をマウスに6週間与えたところ、乳酸菌を与えたマウスは与えないマウスよりも狭く高い位置にある通路を探検する時間が長かったり、また水に入れられた場合のストレスホルモンの値も低いなど、総じてストレスと不安の兆候が低かったとのこと。

 マウスの脳を調べたところ、乳酸菌を与えたマウスには神経伝達物質GABAの受容体を司る遺伝子の働きに変化がみられたとのこと。また、マウスの迷走神経を切断したところ乳酸菌によるこのGABA受容体の変化および抗不安効果が無くなったことから、脳に影響を与えているのは乳酸菌であると考えられるとのこと。

 この研究は気分障害の治療にプロバイオティクスが利用できる可能性を示しているといえるそうだが、人間の感情はマウスより複雑であるためマウスでの実験結果がそのまま人間に当てはまる訳ではないそうだ。

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